レビュー一覧

紙書籍の方で読みました。ひねくれた攻め×人を愚直に信じる素直受け。同い年。表紙イラストの黒髪が受け、膝枕してもらっている方が攻めです。幼少時に色々切ないことや苦しいことがあった過去は攻めも受けも共通しているのですが、周囲の人間の対応の差で、対極の育ちになった二人が出会うシーンからゆっくり通じ合っていく最後まで面白く読めました。文章は読みやすく、ストーリー性を求めるならオススメのボリューム。エロは少ないので、頭空っぽにしてエロを読みたい！というときには向いてません。同作者さんの「神様の庭で廻る」が読み応えはあるものの好みではなかったので、作者買いするにはあと一歩足りない……（設定が好みであれば買う）という意味で、星４つ。

受けが攻めを拉致する珍しいパターンの監禁ものだなーと思いましたが、単純な惚れたはれたの恋愛のみではなく人生観や家族愛などの琴線に触れる展開でした。その分、エロ・BL要素は抑えめの印象です。不幸な生い立ちでもピュアで純朴な美人受けが健気で可愛かったです。好き嫌いが分かれそうな話ですが、恋愛要素よりもヒューマンドラマ的なBLが読みたい方にはおすすめです。最後まで読むとタイトルの意味が分かりハッとするのも良かったです。ストーリーは丁寧に描かれてますが定番BLとは少し趣が異なるので人によってはイマイチと思うかも。こちらが気に入った人には別作家(水原とほる)の「家路」というBL小説もおすすめしたいです。