レビュー一覧

物語を一言で言えば、猛牛のようなラングを手懐けたニコラ、でしょうか。このラングという人は平均3ヶ月毎に付き合う相手を変え、飽きたら文字どおりポイッと捨てていました。ニコラの既婚の妹にまで手を付けかけるし、最後は恋敵にいきなり殴りかかる。ヒロイン、こんな横暴で尊大で優しさのかけらもなさそうな男が好きなの？いくら仕事ができて仕事上は誠実でもねえ…。登場人物たちの発言や行動が少し古めかしい感じなのはこの物語が1980年くらいに書かれたからでしょう。

大、大、大、大好きな作品なので既に紙書籍を購入済みです（昔読んで忘れられず、ずっと探して古本屋でGETしました）。女にだらしがないヒーローと堅実な秘書であるヒロインは、オフィス物ではもうド定番になっています。そして、ヒーローの前に現れるブロンド美女たちも……でも、その一人が自分の姉妹（しかも既婚者！）だったらどうする！？　真面目なヒロインの主張がヒーローには届かず、やがては仕事にも影響が出て～へたをするとドタバタしたコメディドラマのような展開になりそうなところを、真面目なヒロインらしく堅実な愛情表現でロマンティックに物語をラストまでもっていきます。この邦題が素晴らしくお洒落で、また効果的ですね♪（原題は「Obsession」妄想とか強迫観念、はたまた「悪魔や妄想が取り付くこと」といった感じでしょうか？）

シャーロット・ラムのヒーロ―は、かなり横暴なひとが多いようにおもいます。時代背景なのか、作者が、サディストなのか、でも、彼女の作品を見つけると読んでしまいます。

原作が1983年なのでヒーローの奇矯な言動や行動も納得。大声でがなりたて威張り散らしたかと思えば、姉には頭が上がらなかったりなど、気分屋で遊び人でどうしようもない男なのにどこか憎めないヒーローです。いつも3ヶ月で恋人に飽きてしまい別れに赤い薔薇を送るヒーローは自分になびかないヒロインが気になって仕方ない。だけどヒロインの妹（人妻）にまで手を出そうとする、というか手を出してます。ヒロインが帰宅しなければ未遂ではすまなかったでしょう。この作者さんのヒーローはよくヒロインを殴ったり鞭で叩いたりしますが今回もヒロインのお尻を何回も叩くんですよ。なんであそこで叩く？なぜヒロインはやり返さないの？とちょっといらいら。ヒロインから愛してると言わせるところも残念でヒーローから愛を告白してほしかった。破天荒なヒーローを操縦できるのは冷静沈着なヒロインしかいないでしょうから、結婚生活もうまくいきそうに思います。読みやすかったです。

ヒーローがエキセントリックと言うか、サイコパスと言うか、頭がおかしいとしか思えない。セクハラとパワハラのオンパレードです。ヒロインの妹が人妻にも関わらずに手を出そうとするとか、普通に常識もへったくれもない。そして、もはやイチャモンの領域としか思えない発言と暴言・・・もう本当に頭がおかしい・・・。これしか言えない。こんな人、現実にいたら怖い。ヒロインはこの男のどこが好きなのかがさっぱり分からなかった。ストーリー自体は面白いんですが、ヒーローがあまりに・・・残念な男。