レビュー一覧

初めてレビューします。今までＢＬというジャンルを読んできて、神作品と呼べる３作品の内の一つです。世界観はひたすら殺伐としていますが、それと平行して純な美しさを感じる感覚があるというか…今時のＢＬのようなハッピーエンドなどありませんが、作品としての完成度はまるで純文学のようです。

昔一度だけ読んで忘れられず探していました。また読むことができてうれしいです。ひたすらに愛しくて、哀しくて、切ないほどに純粋な物語で、じっくり読み返したい作品です。

10代の頃に読んだ作品ですが20年経っても黒羽周次を超えるヤクザに未だ出会えません。BLと任侠なんてある意味滑稽な設定ですが、それを完璧にしたのが周次でした。それだけにあの爆破の瞬間の衝撃は凄まじく、未だに思い出すと何度でも涙が出るような残酷で美しいシーンです。最初から最後まで陰気な哀愁ただよう作品なので今の時流にはそぐわないでしょうが、特別な作品なことに変わりはありません。20年経っても読めるようにしてもらえて電子版に感謝です。

昔読みました。とても悲しい結末でした。攻めの息子と幸せになってほしかったなあ。極道ものですがハッピーエンドが多いBLだと今はこういうラストは受け入れられないかもしれません。

紙でよみましたが、主人公の烈君がこれでもかというぐらいむごい目にあうので、読み進むのがつらかったです。酷い暴力シーンも度々でてきて、気分が悪くなりました。烈君のラストの選択はきっとあれしかなかったんだろうなぁとしみじみ思います。今思い出しても涙がでます。