レビュー一覧

揺れ動く女心・・・なんだけど生々しくならないのがベティー作品ですね。

サンプルを読んだら、内容紹介で受けた「最悪の出会いをした冷酷なヒーローに、いつの間にか恋をする」的な印象とは全く違うので、気になって読んでみました。ヒロインは、兄の結婚に伴い家を出ること等を、出会ったばかりの素敵な男性に話し、彼から自分も居るから彼の兄の病院へ来ないかと誘われます。兄である院長の面接も無事に済み、半分夢見心地でオランダに転職しますが、残り半分は真面目で優秀な看護師で、恋にのぼせながらも頑張って働いています。内容紹介に有る院長の台詞は、働いてしばらくしてから。ヒロインは怒りますが、院長側のことも描かれているので、会話の流れからも彼には侮辱するつもりがなかったと読み手は解ります。普段は冷静と言いつつ、ヒロインは院長に会うと子どもみたいに怒ることが増え、逆に辛抱強い院長に、私はとても好感を持ちました。ラストは短くまとめたように感じられてしまうのが残念…。弟とか美女とか、色々なことへの説明が欲しかったです。

仕事もうまく行かず、恋愛もさっぱりダメで、当然金もなく、もちろん不器量ってのが大勢居るのに何が不満なんだと言いたくなる事もありますね。ヒロインはヒーローの弟に長い間骨抜きですよね。また仕事以外では一途で情熱的だなと思いました。

作者ベティの作品が好きでよく読んでます。今回はヒロインの失恋があり、珍しく取り乱したヒロインが書かれてました。ヒーローも相手が弟なので、慎重になってヒロインの気持ちを何度も確かめる事があり、イライラしてしまいましたが兄弟で恋愛関係になるとややこしいのだと思いました。ただ、ヒーローの車に乗っていた美女はどんな関係の人だったのか知りたかったです。