レビュー一覧

難読症とか識字障害っぽい問題を抱えていて、でも上手にそれを隠しているヒーロー。隠す為に無責任な放蕩者を演じていたのに、ヒロインには誤解されたくないとか可愛いです。でも、悲しいかなヒーローは無駄に魅力がある為に、好きだから構うのを「遊ばれてる！」と誤解されまくりで残念な事に。ヒーローの魅力にやられたヒロインは、更に隠している誠実さに惹かれます。そして、HQヒロインにありがちな否定と抵抗を続けます。ザ・芸術家な画家のヒロイン叔母が意外と策士で、ちょくちょく見せるナイスアシストに、ヒロイン叔母の知性と愛情があふれています。すったもんだの最後は、かませ犬な役回りの友人やピムブレット一家も、何だかんだで良い感じに納まりそう。珍しいパーフェクトハッピーエンドです。

大好きな「黒の公爵」の関連作でした〜！！　主要登場人物に見たことがある名前があって、手元にある「黒の〜」（つい古本屋で買ってしまいました）を見たら……この作品の主人公がしっかり友人として出てました。実は３部作の第１弾だったのです。これを１番最初に読んでいたら、いきなり出てきた友人の挿話も納得できたのに！（ちょっと惜しいけど、続きがあるから再度一緒に読みました）　知識も情報も豊富で優しいヒーローは、お勉強が苦手というコンプレックスをひた隠しにしています（そのため軽薄な放蕩者を演じています）。そこに地味だけど聡明でしっかり者のヒロインが現れて――あれよあれよという間に、２人は魅かれあっていく過程が微笑ましかったです。「黒の〜」のヒロイン家族（ヒロイン除く。彼女はあくまでも良い友人として登場）の金目当てという俗っぽさが際立って、余計に主人公達が誠実に見えました。主人公同様、温かな物語でした。