レビュー一覧

いろんな作品を読みたくて0〜3チケの作品を絵の好き嫌いやサンプルの感想とかとは関係なくダーッと読んでいるのですが、これはいい意味で予想を裏切られる当たり作品でした。4作品入ってる短編集なのですが、エッチシーンもないと言っても過言ではないくらいのものだし、なのにとても満足。先生×生徒ものってマンガにはありがちですけど、身近に学校関係者がいるので、思いをぶつけられる大人のほうの辛さのほうに感情移入してしまうのですが、ちゃんと続編でそこらへんの先生の気持ちも描かれていて、こちらの疑問とか不安とかをきちんと回収してくれていて、作者の誠実さを感じました。絵は柔らかいですけど、芯はしっかりとしたものがあるストーリー群。ラストの話だけ凄い毒っ気があって、これはこれで作家さんの違う顔が見れた気がして楽しかったです。

他の方も書かれていますが、最後の話だけ色が違います。そちらは2年3組の面々で続きを読めます。それ以外の話は可愛らしいお話ばかりです。とくに人気者・高村と控えめ男子・優の猫のお話！優しく壊れ物を扱うように重ねていく2人の気持ちが最高に可愛らしいです。優の兄弟も良い子でオマケ漫画にほっこりします。

どの人物もほんと可愛い、優しく見守り応援したくなるようなお話ばかりです（パンドラ除く）。この作者さんの作品って心理描写が巧みで、じんわり入ってくるなぁって思ってます。パンドラはこれだけだと辛いですが、２年３組と併せて読むと軽減するかもしれないです。あちらでも病んではいますけど、望月は態度はああでもクドーくんを好きなんだなって感じますし、クドーくんも望月を嫌いなだけじゃないとわかります。というわけでパンドラが怖くて手を出せずにいるハピエン主義の方もお試しを！

ほんわかだけじゃない、スパイスのきいた物語です。パンドラの箱以外はみんないい子！安心してほっこりできます。パンドラの箱(最後の話)は病み執着系の攻めですが、私的にはアリでした。メガネ君を泣かせたいとか、私物をお持ち帰りとか。お前は好きな子をいじめちゃう小学生か！ていうか超迷惑だよね！メガネ君がんばれ。まじがんばれ…生きろ！と、思いました。

全部で４組、人の心の動きがとても丁寧で読みやすいです。表紙のイメージ通りで、どのキャラも応援したくなるような可愛さ。試し読みで気になったらぜひ。ただ、最後の話だけは暗くて重くて「どうした？」ってくらい浮いていたので星４で。

文句なし☆5です！三崎汐先生の作品は全作品読んでいますが、本当にどれも読みごたえがあってハズレがありません。この作品は短編集ですが、不足を感じさせない完成度でした。これは何度も読み返しそうです！

4カップルの話。短編集は物足りなく感じる事が多いので敬遠しがちですが、評価が良かったことと、サンプルの続きが気になったので購入。結果、良かったです。最後はずっしり重めのお話ですが、あとはこの作者さんの絵柄のようにほんわか系で満足でした。

やさしいお話のつまった一冊です。ただ、パンドラの箱というお話はちょっとダークな感じで、この作者さんもこういう邪悪な感じのまさったストーリーもつくられるんだと意外な感じがしました。その他は、やちよの話も、あらしも猫も、優しい心をもった子と、その優しさをちゃんと感じとってくれる子がいてホッとするっていう、この作者さんらしいと思うじわんとこころが温かくなるお話です。

どのお話も素敵でした！・・・ほんわかしたお話ですが、最後のお話だけテイストががらっと変わります。病み系ですね。私は、最後にこのパンチ持ってくるのか〜とツボりましたが、びっくりされる方もいらっしゃるかもしれません。でも、お話としてはどれも綺麗に纏まっているので後味良いです！（最後の作品は、その先があってもいいかも）

青春ならではの甘酸っぱさともどかしさ、迷いと希望の詰まった作品集。最後の1話のみダークです。この本に収録されている沢木兄弟について、同人誌が出ているとのこと。捜しているのですが、もはや手に入れるのは難しそう。電子化してくれないかなぁ。