レビュー一覧

さよならクレマーを読み始めてからこの作品を知りました。女子サッカーのジレンマだけでなく、女子として生きるこの世の中のジレンマを日々感じている女の子に読んでもらいたいです。

絵がちょっと違うなって感じたのはそういうことだったのですね。この本しかないが、さらっと終わるからいいですよね。

「さよなら私のクラマー」の前日譚・・・と思ったら、こちらの方が先だったのですね。道理で「クラマー」の最初の方が説明不足でわかりづらい、と思った理由がわかりました。「四月は君の嘘」と同様に、「残された時間が少ない」ことを表現していますが、病気というある意味楽な手法で捌いた前作に対して本作は「体格差の逆転」という本人も自覚しつつどうしようもない、それ故最後のチャンスを掴もうとする姿が魅力を引き出しています。そう、本作は主人公が魅力抜群なのです。「見ている?いや、見とれているんだ」のシーンなどはその辺の萌え系ヒロインが束になっても出せない眩しさでした。たった1試合に賭けて出場するための策を表裏両面で弄し、最後は実力行使。全力でぶつかっては打ちのめされ、それでも最後に決めたルーレット。誰が勝者であったかは対峙した者と観客のみが知る。そして終わった後に笑顔で求める握手。こんなヒロイン主人公に惚れない男性はいないでしょう。「クラマー」では群像に埋もれてやや影が薄い印象を受けた彼女でしたが、この作品が先であったことを思えば自然なことだったのかもしれません。

最高です。女子サッカー愛。最後もまたいい。何もかも進んでいて何もかも進んでなくて、それがまたリアルで良かったです。かっこいい！

さよならクラマーはここから始まったんですね。男女の体格体力差が開き始める中学生、今までのようにプレーできなくなった少女の葛藤がよくわかります。

「さよなら私のクラマー」の前日譚。ヒロイン恩田希の魅力が炸裂。クラマーの少女たちの群像劇もいいけど、たった一試合の出来事をドラマチックに描いた本作の方がいい。まだまだ、作者の絵が発展途上だが、こちらの方が勢いが感じられた。

男子に混じって頑張る女の子のフットボーラーの物語。現実的に厳しい問題と少しの無茶とミラクル。爽やかで楽しく読める作品でした。

『四月は君の嘘』にとても感動して、こちらも読んでみました。躍動感とか、キャラクターがいきいきしていてとてもおもしろかったです。もっとページ数あってもいいと思いました。ただ、キャラクターはとても魅力的なんですが、『四月は君の嘘』とかぶります。性格づけとか、関係性とか、さらには台詞まで重なるところがあって。それでも、すごくおもしろいのですが…。うまく言えませんが、ほんのちょっとだけ、そうやってかぶっていることが残念というか…。あとは、絵がすごくうまいと思います。動きはもちろん、汗のしぶきや匂いまで届きそうなくらい。ひとつだけ難点をあげると、顔、特に目が残念な時がたまにあります。目線があっていなかったり、ちょっとギョロ目な時がたまにあって、そこは好みの問題ですが、ちょっと残念です。でも、話やキャラクターづくりなどなど、本当にすごいと思います。もう少したくさん読みたかったです。

ざっ青春、て感じです。読んでいて、ほっこりします。

さよならクレマーが良かったので、こちらも読んでみました。サッカーマンガなんだけど、それだけじゃないというか。出て来るのは子ども（わかもの）なんだけど、大人な私ももっと頑張らないとと身につまされました。