レビュー一覧

とある高校の文化祭の時期を中心に描かれるオムニバスの作品集。群像劇というほど大人数で動くわけではなく、カップルの話に他のエピソードで登場したキャラクターが絡むという体裁です。高校生という年頃を遥かに過ぎて、あまり共感するところも無いという感じです。この作者の作品、物によっては面白いのに、これと、もうひとつの百合もの(と作者が言っていた)の短編集は共感できませんでした。これは私が高校生でないから、同性愛者でないから…ということではなく、やはり作品の力の問題だ思います。登場人物たひに魅力が足りない。女同士で好きだなんだと言っているけど、どこに惹かれているのかまるで分からない。高校生たちの恋愛話も同じ。作者の最近の作品の方が人間描写とコンテキストの描写に深みがあって良いです。

ストーリーが聖書や神話と絡めてあって好みなのですが、いまいちテンポが良くないと感じてしまった。ハッピーエンドを期待してる方にはおすすめしないです。

別作品が面白かったので、こちらも借りてみましたが、いまいち話の筋がわかりにくいような気がしました。

文学的な不思議な作品…空気感が静かですてきです。

最初の方は面白かったのですが、主人公が入れ替わっていくオムニバスを描くには力不足の感が。2話目以降は、誰が誰だか分からなくなって来るので、そこまでに描かれた相関図やら設定やらが全く無意味になってしまい、結局何だか分からない作品と言う印象になってしまいました。

モチーフとして、聖書やギリシャ神話を絡めてくるのはいいと思ったのですが、ちょっと小難しくなりすぎてしまっていたのではないかと思いました。