レビュー一覧

絵から倦厭される方もいるかも知れませんが、この淡々とした、でも味わい深い空気感には合うと思うのです。「一つの事」に信念を持っている事の素敵さと、「故に」なのか、その他の自分の生活面などの適当さが可笑しくて、このギャップが私は大好きです。「一つの事」は人それぞれで始めはすれ違ったりするものの、相手のその真剣さに触れた時、やっぱり人は心を動かされてしまうものなんだですね。ぶれずに、相手の円と自分の円の重なり合う瞬間をゆっくりと見せてくれる。そんな漫画だと思います。

無料1巻の感想。ごめんなさい、合わなかったです。服に対するこだわりや信念があるのはすごく素敵だと思います。でも設定に無理があって入り込めなかった…。主人公はいくつなんでしょう？すごく若く見えます。もう少しオバサンだったら多少説得力があったかも…。画力にも問題あり。背景ほぼ真っ白で建物も変。1点ものの服にこだわってるのにその服が全然オシャレでも素敵でもないし主人公が着てる服も微妙。多くの人が魅了される、長く着たいと思う、という説得力がありません。すご〜く古い作品かと思いきや2009年から連載なんですね。嘘でしょ…。このご時世に「1点もの、その人に合うもの」にこだわって、近所の人を相手にお直しだけしてこんな若い人がどうやって生活してるの？資産家の太客がいて祖母の代から贔屓にしてもらってるとかならまだわかるんだけど…。漫画だから多少ありえないことがあっても許せますが、この作品はちょっと無理がありすぎてダメでした。

好き嫌いが酷く分かれる作風だと思う。デッサン崩れや人物の描き分け以外の画力外の表現方法を下手と言って捨てる感想に賛同が多いのが不思議なレベルで自分にはとても気持ちの良い作画だったけどなあ。キラキラしたお目めや黒白ハッキリし過ぎた絵なんか合わんでしょこの話。やわらかい日差しを感じる白さ。こういうちょっと肌寒そうだけど日溜まりが心地良さそうな部屋でミシン踏んでたいわ。て思ったけどうちのミシン足踏みでもなけりゃフットコントローラでもない手元スイッチだったわ。とりあえず、洋裁好きは読み終える頃には布買いに行きたくなるし職業ミシン欲しくなってるよ。

ストーリー絵柄共、しみじみ素敵と感じ入ります。現在2巻読み途中。味わいながら少しずつ読み進めていきたい作品。これ読む以前、某ミュージアムショップで、流行無視したデザインのスカートを売っているのを見つけ、心から素敵と思ったのですが、流行や無難からズレるのが怖く、結局購入しなかったことがありました。この作品読んでから、その見逃した洋服が頭から離れません。ちなみに、調べてみたら、そのミュージアムショップに作品提供してるブランドのうちの一つが、繕い裁つ人映画化にあたり、衣装を提供しているそうでちょっとびっくり…と、まあ、個人的な話になってしまいましたが、とにかく、私にはこれ、大切な作品になりそう。市江さんには、どこに行けば会えるんだろう。モデルがいらっしゃるのでは…。前の方がレビューされてるように、いるはずないのだとしたら残念。私、洋裁関係はまるで詳しくないので大変かもしれないけど、市江さんみたいな洋裁やさん、探してみたい。あ、ちょこちょこ入ってくる、市江と藤井さんのイイ感じなシーンが、とても微笑ましくてニコニコしちゃいます。

とても面白かったです。家人にも読ませたくて申し訳ないんですが紙で買いました。全体に地味な絵柄でカタルシスを得られるような派手な展開がないので、そういうものを求める人が読むと低評価になるのかもしれませんね。私は名作だと思います。

３８歳、子育て中です。きっと、漫画として見ながら読むものではないんだろうなぁ、と思いました。小説のような感覚で、自分の中で膨らませながら楽しむことができました。

淡々とした表情に乏しい癖のある絵で、書き込みも少なく余白が多い画面です。その余白の部分に台詞から読み取れる登場人物たちの感情を想像で補完しながら読み進める、そんな不思議な作品でした。一度目に読むときより読み返すたびに登場人物の気持ちや背景が明瞭に、浮かび上がってくる気がします。先日映画のプロモーションで出演した番組で主演の中谷美紀さんのご友人が市江そのものの頑固な仕立て屋さんでいまどきＨＰも持たずＳＮＳもっやていないし勧めても断られるそうです。その番組で中谷さんが着ていたのはその「リアル市江」さんが作った服だったのですが、一見シンプルでしたが高い技術を感じる、何よりも着ている人の体と雰囲気にとてもしっくりとなじみ着る人を引き立てる、そんな服でした。中谷さんは「私は彼女が作ったものを宣伝するために女優をやってる」なんてこともおっしゃってましたけれど、いいものというのは自然とそれを必要とする人の間で広まって続いていくんだろうと思います。考えてみると普段生活している中で自分が使わないから気づかない・知らないだけで今でも昔ながらのテーラーや洋裁店は身近にあって、それを必要としている人や市江のような仕立て屋さんもいらっしゃるのでしょうね。私にとってはゆっくり時間をかけて何度も読み返したくなる、そんな作品になりました。

若い頃、被服の仕事に従事していた母と重なりました。母の作る服は着やすく見た目もキレイでした。主人公と物言いや服に対する考えや想いも母と似ている気がして苦笑いしながら読みました。

無料だったので読んでみましたが・・・背景が白い、目に光がない、人間の顔のバランスがおかしい（頭が長い）、絵で感情を表現できてない、同じ構図ばかり、総合的に絵や構図が下手、というのが印象です。絵的に見るに堪えないので、どうしても話を読み続けるに至らない。正直、話はほとんど読んでないです。とっかかりの絵の部分で拒否反応が出てしまいます。お洒落モダンな雰囲気を出したいというのはわかるんですが、それには少し画力が足りないように感じます。台詞を読めばストーリーは面白いのかもしれませんが、絵がそれを読ませようとしてこないのが残念です。

1巻無料なので読ませていただきました。みなさんがおっしゃる通り、絵で読ませるマンガではありません。小説のように読み手がじっくりと想像しながら読んでいく御話だと思います。大人向けかもしれませんね。年をとっていくと必ず、この服がお気に入りというのが現れます。そして大抵その服に物語がついてくるものです。（初めての給料で買ったとかこの服を着ている時に彼と出会ったとか）捨てられない服、でも着ない。押し入れの肥しとなるのですが、この本に出てくる人はそんなことがないんですよね。きっとオーダーメイドだからかもしれません。うらやましい限りです。