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あらすじを読んだだけでも爽やかな話ではないことは分かると思いますが、想像以上に登場する男女が「性」に対する感情を色んな方向にこじらせています。こじらせ方がもはや哲学的で、その結果、場面やキャラのリアルさが失われているのですが、ストーリーに力強さがあり、なかなかどうして強く引き込まれてしまい、先が見えない状態で転がる展開に喰いついてしまいます。場面、キャラといった各要素はリアルとは言い難いのに、仕上がったストーリーが浮ついていないのは、作者の力量によるところかと。エグイ事態も頻繁に(?)起こりますが、さらっと描かれているので、げんなりせずに読み進められます。5巻まで読んでもどう収拾を付けるつもりなのか予想もつかない、オリジナリティ溢れる魅力的な作品です。爽やかではありませんし、勧める人を選ぶ作品だと思いますが、あらすじを読んで興味のある方は是非!
最終巻まで読みました。最初は先生の行動が理解できなかったけど、最後でようやく理解できました。レイプされたのになんで通報しないの?なんでまだその男のいいなりなの?とか思っていました。でも、違うんですよね。‘普通’の感性ならできることが、レイプによって‘普通’ではなくなったんですよね。自分の身体は自分のものだとか、セックスは愛の行為だとか、自分を大事にして幸せになろうとか、それらの‘当たり前だったこと’が全て壊されてしまった。レイプは魂の殺人だと言いますが、まったくその通りだと思いました。
登場人物の半分以上がレイプ又は暴行の加害者もしくは被害者という話。不動産営業の社員というのはあの事件の影響かな、リアルすぎです。 まずは早藤という不動産営業の出世頭にして処女厨のレイプ魔、というのが出てきます。レンタ!のアダルトコミックにはこういうタイプは常連さんですが、アダルトには、妊娠されて泣くところまでは描かれないですね。所詮大人になりたくない永遠のピーターパンなのでしょう。 しかし、利用できる者は利用し、反抗する者は暴力(もしくは策略)ででも従わせる、そういう早藤に存在するような性質がアダルトの読者しかり、ある種の人々を酔わせるのも事実です。 また、作者は女性にもあるそれと近しい性質を、早藤の婚約者美奈子について「自分の幸せのためなら他人の少しの不幸も厭わない傲慢さ」と語り、それは「母として子供をなんとしても守る決心の強さ」と近いとし、「それがなぜかとても彼女を頼もしく見せた」と言います(第5巻) この早藤の内部に秘めた性質、それと早藤が憎む妊娠した美奈子の成熟した母性が「近しい」という皮肉さ。早藤がそれに気付き、自分は決して美しい永遠のピーターパンではないのだ、と気付いた後どうなるか。この先が楽しみです。
面白かった。久し振りに最終巻まで満足して読みました。レイプ、不倫、DVとか、ただでさえ重い内容をことさら真面目に暗く深く描いているから、ダークなのは読みたくないって方には向かないと思う。ただ、救われていくから、私は読んで気持ち良かったですよ。下駄箱のシーンでは涙してしまった。しかし、穿った見方だけどこの作者先生だいぶ歪んだ男女感持ってるんじゃないかなぁって思った。それと、多分何か経験者なのかなぁ。読み手側の、主人公があり得ない・うじうじ・通報しろよ、とか、そういう意見も最もなんだけど、それって多分健康な人の健康な感覚で…。例えば虐待にしろ暴力にしろレイプにしろ、自分の価値を失った人、存在を脅かされた人、にしかない、自分を大切に出来ない・自分の価値のために怒れない・闘えない、感覚を、この作者先生知ってるんじゃないかなぁと思う。まぁ私も、因果応報であるべきっていう感覚があるから、早藤はやく報いを受けろって思いながら読み進めてたのもある。実際の世の中には、報いを受けないままの鬼畜も、沢山いるんですけどね。そこは漫画だから、スッキリさせてくれて良かった。
ドロドロした嫌な話なんですが、ひきつけられます。ぐいぐい読まされます。
性被害サバイバーのバイブルですね。多角的な視点で書かれているのもよかったし、ハッピーエンドなのも本当に良かった。唯一、美奈子の成育歴だけが気になりましたが、それ以外は完璧だったと思います。日本では、性被害はまだまだ「女性の一部の問題」だと思われていて、実際を知らない男性の側の思い込みに社会全体が絡めとられています。でも、白人側からだけ黒人を見ていても、永遠に理解できない部分があるように、女性側から見て初めて分かる問題もある。そうでない限り、つまり男性の側の考え方にのみ拠って、男女平等を考えることはできない。けれども誰もが、被害を受けた女性さえもが、自分が男性文化に染まっていることに無自覚なまま自分を責め続け、だれにも言えずに死んでいくのです。そういう意味で、この作品は誰もが通過してきた不平等をみなに分かるように突き付けている佳作です。早藤の側のストーリーがちゃんと入っていたのも良かったし、女の哲学書のような趣きさえありました。挿入歌のような『こころ』がまた良かった。読み終わるのがもったいないような作品でした。
雰囲気的にいくえみ綾の漫画を思い出させます。人間の奥底にある、本音の部分を下品にせず丁寧 に表現されていることについては読み手を安心させます。自分だけじゃなかった、と。よくある言葉を並べて説明文的な漫画が多くなる最近の作品の中では、言葉数が多くてもさらっと受け取れる雰囲気の絵柄が読み手を徐々に作品の世界へ引き込んでいくこともこの作品の魅力だと感じました。
考えさせられます。暴力とはなんなのか、暴力によって他人の体や心を傷つけるというのがどういうことなのか、それが一見平和に見える日常にどれだけ蔓延していることなのか。夜一人で女性が歩くのが「無用心」であり、事件があれば被害者の女性に対してもバッシングがあるような現状がどれだけグロテスクなものか、そしてそれにも係わらず社会がそれに慣れているというのがどういうことなのか。日常に隠されている、でも蔓延している暴力を引き出してみせた、すばらしい作品だと思います。
この作品の一巻を初めて無料で読んだ時、早藤が許せなさすぎて、それを受け入れてしまう先生も理解できなくて、もう二度と読むもんかと思ったのですが、レビューで最後はハッピーエンドだと読んで、あれがどうやったらハッピーエンドになるのか理解できず8巻だけ読もうと思って8巻を買ってみて、でもどうやったらあそこまで上がっていけたか気になって結局他の巻も購入してしまいました。読んでいると女として生まれた時から押し付けられてきた価値観だとか、その生きづらさ、絶対的な不平等を見ないようにする為に女たちが無理矢理信じ込もうとして来た幸せの形だとかを考えるたびに悲しくて悲しくて、先生と彼のたどり着いた答えが永遠に覆らないものであるよう祈らずにはいられません。
男の威圧や暴力の前では女性はとても無力で、非力な自分をも責めてしまうだろう。自分を無価値だと思ってしまうかもしれない。それでも被害者の美鈴先生や玲菜が、レイプ犯とその後も関係を続け、欲情したり思い出して自慰したり愛したりという行動は理解に苦しみます。「女は突っ込まれれば気持ちいいんだろ」みたいなカン違い野郎が増長しそう。早藤のトラウマは全然同情できないし、被害者に寛容を押し付けているよう。加害者を許せばあなたも解放されますよみたいな。性悪美奈子が自我を貫き早藤を愛するのは勝手ですが、レイプ犯の父親を持たされる子供は可哀想なので離婚はして欲しい。娘を殴った事を笑って話す男も気持ち悪かった。散々振り回されたピュアな新妻が幸せそうなのは良かったです。
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あらすじを読んだだけでも爽やかな話ではないことは分かると思いますが、想像以上に登場する男女が「性」に対する感情を色んな方向にこじらせています。こじらせ方がもはや哲学的で、その結果、場面やキャラのリアルさが失われているのですが、ストーリーに力強さがあり、なかなかどうして強く引き込まれてしまい、先が見えない状態で転がる展開に喰いついてしまいます。場面、キャラといった各要素はリアルとは言い難いのに、仕上がったストーリーが浮ついていないのは、作者の力量によるところかと。エグイ事態も頻繁に(?)起こりますが、さらっと描かれているので、げんなりせずに読み進められます。5巻まで読んでもどう収拾を付けるつもりなのか予想もつかない、オリジナリティ溢れる魅力的な作品です。爽やかではありませんし、勧める人を選ぶ作品だと思いますが、あらすじを読んで興味のある方は是非!