レビュー一覧

ダムに沈んだ村をめぐる現在と過去の交差とでもいうのでしょうか、正直、よくあるストーリーだと思いました。でも、何度も読み返してしまう作品です。夏の暑さや自然のにおいを感じさせる表現が上手で、自分の経験に川遊びや田舎生活は無いにもかかわらずノスタルジーに浸れて心地好いです。上下で完結なのも手を出しやすくて良いです。

切なくて、でも温かみのある不思議な世界を描くのが本当にお上手です。田舎出身だから作中に出てくる家や風景を見るとすごく懐かしい気持ちになります。あーうちのおばあちゃんちにもあったなーと。

蟲師ファンなので買ってみました。漆原先生独特の世界がとても心地良く感じます。懐かしい感じだけどそれだけでは無い。淡々としている中に味があって面白かったです。

ダムに沈んだ村の話でしたが、水の底に沈んだ村人たちのドラマが静かに語られていて、とてもよかったです。

蟲師の作家さんの世界観が好きなので、こちらも読みたくなりました。期待通りです。数世代に渡ってのお話で、主人公のお母さんが子供の頃の話になったり時々ん？と思うことがありますがダムに沈んだままの「スミオ」という男の子からすればずーっと変わらない日常の話なのだと気付きました。こういうダムに沈んだ村や町の話は日本ではいくつもあり、住んでおられた人の数だけいろんな想いがあるのでしょうね・・・

物語全体を包み込む、誰かを想う、思いやりの気持ちのなかに沈んでいくような気持ちになりました。２巻目のラストに向かって行く時に、１巻目の最初からここに向かってくる伏線だったのか！とわかり、鳥肌が立ちました。誰も悪くない。時の流れに、やるせない思いがしました。それでも未来に向かって進んで行く登場人物たちの姿。登場人物たちと一緒に、幻の村を旅してきた思いがします。

没入感のある作品。蟲師や、猫も西向きゃが好きで読みました。ステイホームには、うってつけの、異次元トリップものと呼べるかも。ちょっと暗い話ですが、ラストは一応ハッピーエンド？なので、安心して読めます。

蟲師を読んで、同じ作者の方の漫画が読みたくなり購入しました。日本中、世界中、同じようにダムの中に沈んだ村や町があり、深山村みたいな歴史があり物語があるのかなと、故郷のダムを思いながら読みました。最後には温かい気持ちになれる話だと思います。

とても綺麗な絵と、繊細なストーリーに引き込まれました。

独特な世界に引き込まれます。蟲師でもそうですが、日常を淡々と、でもとても丁寧に描いてあり、雰囲気を著すのが上手な作家さんだなと思います。一見少し不思議な世界を書いているようですが、実は普遍的な人の思いが沁みる作品でした。