レビュー一覧

大国「バルトライン帝国」と、その帝国が狙う商業国の「トルキエ将国」の戦いのお話。主人公はトルキエ将国の軍人、大鷲使いのマフムート。小さい頃に戦争で母を殺され、村を焼かれた事から、"二度と戦争は起こさせたくない"と将軍を目指し、物語はマフムート軍人（ベイ）が史上最年少の将軍になった所から始まります。読み始めは、マフムート将軍（パシャ）が主人公さながら、活躍に活躍を重ねて、イケイケ、オラオラで進むのかと思っていましたが………全然！！史上最年少とは言え、まだまだ未熟なマフムート、ケガしたり降格したり等、紆余曲折を経て、周りに助けられながら、でも持ち前の知識と根性を駆使して、成長していくお話です。ストーリーも、キャラクター（敵、味方に関わらず）しっかりしてると思います。ただ、少年漫画ですが、線が細く、少女漫画的なイメージと、セリフを含め、文字多目な印象はあります。また、こういうファンタジー（？）に多いですが、その世界の言葉（軍人→ベイ、将軍→パシャ）や、聞きなれない人名、地名等が多数出ますので、これ何だっけ？とページを戻ることはたまにあるかも知れません。読み進めて行けば行くほど、マフムートの成長にワクワクします。また、敵もなかなか魅力的です。まだ５巻までしか読んでいませんが、んー、今、出ている１４巻まで一気読みしそうな勢いです！

１巻より後々絵もすっごく美しくなるし、ストーリーも重みをもっていくので１巻であきらめないで！

絵がとっつきにくいところがあるかもしれませんが、女性的で細身の絵柄の割に戦闘風景はがっつりめで理屈の通ったコマとなるので、納得して読み進められました。剣筋とか騎馬の進み方とか、海洋戦でも。作者の好きなものが詰め込まれているんだろうなと作者のポリシーを感じ、単行本の帯にエキゾチックエキゾチックと煽り文句を繰り返すらしいですが、それが雰囲気だけではないところが魅力かなと思います。キャラクターの書き分けも申し分ないし、人物は敵味方みなそれぞれ味があります。地理が苦手で地図だけでは位置情報とか南北とかをぱっと思い描けない地図の読めないタイプの自分はページを戻して読むことが多くありました。ただ、両面見開きでバーンと見せるコマ割りが多いのでスマートフォンではやや迫力にかけます。キャラクターの過去話や平時の日常回がほとんどないのは描く暇がないのかな。

凄く知的で面白いから5、6巻くらいまで我慢して読んでほしいです。（特に一巻がつまらなかった人に。）

雄大な規模を持つ国家経営絵巻である。中東 東欧辺りをイメージしたファンタジー世界が舞台になっているが、魔法要素がなくしっかりしたリアルな物語構成なのでずいぶん読みごたえがある。オスマントルコ風のフリガナが本格感を出すのに役立っている。絵柄はやや線が細めではあるが、戦闘シーンが多い場面で残虐感が余りでないようにするのに役立っている。登場人物はずいぶん多めだが皆さん個性的。

22巻までは実際に購入していましたが、断捨離を機に続きをRenta!で購入しました。絵柄は女性誌に見られるような線の細さですが内容は骨太です。世界史がお好きな方は面白く読めると思います。私自身も地中海の実在した都市やオスマン帝国やローマ帝国など、物語に登場する国のモデルを想像するのを楽しみながら読んでいます。大国同士の戦いが物語の主軸なので 死んでほしくない人々も死んでしまいますが、主人公側だけではない視点もあり、読みごたえがある良い作品です。

後ろ後ろー！！な前巻の終わりからの今巻、もちろんそんなの平気平気でどんどん進んでいくかと…思いきや、なんとトルキエ本体が……!!戦闘の臨場感に震えます

戦術、歴史観、世界観、社会情勢…きめ細やかに伝わるこれらの要素が入り交じった舞台を、魅力的な強さ・弱さを持ったキャラクターたちが駆け巡ります。主人公は美少年ですが、それだけではない逞しさと強かさ、誇り強さを持っていて、応援したくなります。

星五つでは足りないくらい、面白い。まず絵から湧き出る世界観がすごい。敵味方構わずキャラ全員に愛着が湧く絵柄で、背景は迫力があります。話の運び方も魅力的で、マフムートの成長を丁寧に描きながら政治と戦場の状況がわかりやすく描かれてます。戦争の悲劇や血生臭い部分を綺麗事で省略せず、ちゃんと扱っているので話に深みがあり、何度も読み返してます。完結まですべて購入するつもりです。いつか紙版も全て揃えたいと思いますし、画集とか出たら絶対買いたい。

主人公がいろいろ吸収して大人になっていくの凄く面白い。