レビュー一覧

アッカを読んでワクワクのまま読んだけど、全く期待を裏切らない作品でした。アッカよりカワイイ感じの絵に哀愁漂う場面もありすぐにでももう一度読もうと思った作品でした。

アッカもそうですが、独特の雰囲気の作風の作家さんです。シンプルなのに何だか癖になる。そんな作品です。

オノさんの世界観が好き外国ものも良いが日本時代劇ものも推しです

流石オノ・ナツメ先生。キャラクターの心情描写がうますぎる。華やかな話ではないのだけれど、じわぁと胸のうちに広がるような、そんな短編集。静かな夜にもう一度読みたい。

距離のある父と息子、未来からやってきた孫と父と祖父、義理の父とアメリカ人の娘婿、軍警察の准尉と部下、年の離れた正反対の性格の兄と弟、パートナーを組んだベテラン刑事とルーキーによる、それぞれの関係性の話でした。歩み寄ったり歩み寄らなかったり、あくまで現実的な話が面白いです。特に、「煙」に登場する、本心を見せず常に微笑む兄に苛立つ弟と、甘やかされて育ち自由気ままに振る舞う弟と、自分との差に苦しむ兄の、何とも言えない関係性が好きです。好きなのか嫌いなのか、心配しているのか苛立っているのか、掴み切れない会話劇は見事でした。

セリフの言い回しがストレートでないゆえ、深みがでると同時にわかりづらくもあります。やなヤツは1人も出てきません。たまに切ないけど温かい短編集。

カッパーズのキースとヴァルのお話が読めて良かった。あったかいけど、ちょっとさみしい、じんわりくる短編集です。オノ作品、読めば読むほどはまりつつあります。

オノさんの何気ない日常感がいい。ほとんど劇的なことは起こらないけれど、なんとなくほっこりするのがいいです。そういうのが好きな人にオススメです。