レビュー一覧

家族の横領を庇おうとするヒロインの愚行は、ハーレクインの十八番ですから、大目に見るべきかも知れませんが、不適切に親を庇う言動が繰り返し出てくるのでうんざりします。味方になることは、罪を隠すことではないはずなのに。ヒロインは、学生時代に付き合っていたヒーローに関するとんでもない噂を父から聞いて信じてしまい、ヒロインの父はヒーローの家族の生活に致命的な打撃を与え、親子で酷い。尊大な父には悪意があり、ヒロインには悪意はありませんが、ひどい愚行であることは同じです。お嬢様育ちでも、働く大人ともなれば、そして賢い人であれば、ある程度は世の中のことも理解し、自分の身の回りのことも出来るようになっているものですが、ヒロインは…。作中、それ位分かってよ、と言いたくなること多数。魅力は外見と、ヒーローのことを好きなことくらい。ちょっと魅力不足です。文章が読みやすいのと、ヒーローがなかなか立派なことです。ヒーローは、これより前の作品では、頑なさと妹への過保護ぶりによりフォーカスが当たっていますが、本作では、働き者かつ有能で、貧しくとも誇りを持って生きた母譲りの彼の良さにフォーカスが当たっています。ヒロインに甘いですが、美人に甘いのは当然なので良いと思います。でも、結婚相手を選ばないと、お母さんみたいな賢い子どもは生まれませんよー（笑）