レビュー一覧

他のブックサイトの広告を見て知りました(チケットがあったのでこちらで購入)。2009年にドラマ化されたそうですが、全く知りませんでした。こんな凄い漫画がまだまだあったのですね。最初は実在の事件と似たあらすじに興味本位で読み始めましたが、家族のそれぞれの描写が大変上手く、すぐに話の世界に惹き込まれました。知っているとはいえ「本当にこの子が殺されるの？嘘であって欲しい」と感情移入しました。結末までのテンポの良さ、涙が何度もこぼれました。私自身も二人の子供を持つ母親ですが、感情を持つ人間である以上決して完璧な母親にはなれません。それでも子供にとって一番大切なところだけは見落とさずに育てていきたいと思いました。子を持つ方ならぜひ男性にも女性にも全ての親に読んで欲しい作品です。

多分、一般的には良い作品と判断されるものなのだろうな･･･と思う。ただし、この作品に素直に感動できるのは親から無償の愛情を注がれて育った恵まれた人だけだと思います。私の母親もこの作品の母親のように弟である息子だけを溺愛。姉である私には辛く当たり続けた人でした。（この作品の母親より１００万倍酷いコトされました）私が感じた感想は、被害者のキヨタンという息子。最低最悪の子供。殺されても仕方の無い言動をしたんだから自業自得。殺された理由を知った母親の「キヨタンは思ったことをそのまま言ってしまうだけ。お腹の中は真っ白なのに！」という言葉には吐き気を感じました。最低な母親と最低な息子。心療内科で「愛情不足の環境で育った事が原因のアダルトチルドレン」との診断を受けた私のような健全な心を持たない人間の感想でした。

中学生の息子を持つ母親です。はじめは被害者の母親の心に共感し、もし自分の子供が同じような目に遭ったら...と胸を締め付けられる思いで読んでいました。しかし、読み進めるうちに、次第に加害者の母親の心になっていました。母親ならみな同じように子供を愛していますが、その表現が子供に伝わっていると思い込んでしまいがちです。そして、自分が一番子供のことを理解していると過信してしまうこともあるでしょう。私事ですが、息子が小学校四年の時に同級生から不快な思いをさせられていたことがありました。その事を学校から知らされた時はショックでした。毎日食事の時間に学校での出来事を話してくれていたのですが、その事は全く話に上らなかったので、まさかそんなことに遭っているとは夢にも思っていませんでした。息子は嫌だ、不快だと思うことは親には心配させまいと言わなかったのだそうです。息子の事はなんでも把握していると過信していた自分を愚かだと思いました。ちょうどその頃いじめによる自殺のニュースがあったのですが、「なんで親がわかってあげなかったんだろう」と思って聞いていました。しかし、相手が親だからこそ自分から言えなかったのかもしれません。この物語も母親を愛して求めていたからこその哀しい顛末でした。子供のいる方も、いない方も、みなさん読んでほしいと思います。

良いお話なのかもしれない。個人的には嫌いです。絵が苦手。キャラクターの性格も嫌。キヨタンの歯抜け顔も可愛くないし、無意識の悪意というか、性格も悪い。私ならこんな子大嫌いです。ママのえこひいきにも腹が立つ。お姉ちゃんが可哀想。よい話にまとめよう、泣かせよう。作者の思わくが透けて見えます。

ありがちな漫画のように、殺されたキヨタンを天使のように描くのでなく、あざとい子供として描くことで、事件の現実味が増している。「ごく普通の子供たち」が、犯罪加害者・被害者になるうる怖さ。どうやって子供たちを守ればいいのだろう。

この作品を読んだ後、自然と「アダルトチルドレン」について調べていました。私はどちらかと言えばキヨタンのお姉ちゃんに近いかな。今思うと、お姉ちゃんだったから我慢するのが普通だったし、常に良い子で居なきゃと考えて行動する子供らしくない子供でした。無償の愛情を注がれて育ったのであろう人の自由奔放な姿に嫉妬する事が今なお頻繁にあります。裕一くんの様に子供の頃に何らかのトラウマを経験したり、お姉ちゃんの様に我慢する癖がついた様な人間には、自由奔放で言いたい事を言っちゃう人間は猛毒である場合があると思う。相手の何気ない言動にも深く傷つき、より一層卑屈になってしまう。本当は誰かに自分が必要だって思ってもらいたいだけ認めてもらいたいだけなんですけどね。両者が子供だったらこういう事件になるのもあり得てしまうのかなと思いました。でも根本的には誰か一人が悪い訳ではないと思うので、本当に難しい。裕一くんに暴行をした男ももしかしたら心に傷を負っての行動だったのかもしれないから。恐らくこういう重い話が好きではない（他人に興味が無い）自由奔放なタイプの大人にあえて読んでほしい作品です。（他の方も書かれていますが、母親のキヨタンを庇ったセリフが不快だったので★3つです）

ドラマにもなった作品。いろいろ感じることのある深い作品なんだろうけど、個人的にはキヨタンがすごくムカつきます。我が子ならめっちゃ矯正していくと思う。無神経なのを無邪気という扱いにしたいのか、それを免罪符にしようとしている母親にも苛立ちます。無邪気≠無神経。小一ならもう少し人の事考えた発言できます。加害者の家庭よりも被害者の家庭のほうがどんな子育てしとんねん！？と。お姉ちゃんが一番の被害者に感じてならない。

読んでてせつないです。皆んないい人なのに。子供もいいこなのに。最後まで読み終えて、元々の諸悪の根元である、児童性愛者のヘンタイ犯人が不透明で捕まりもしないラストにもやもやします。なので星ひとつマイナス。

苦しいなあ。どこが何が道を分けたんだろう…そう思うことはたぶんにある。美帆子ちゃんが健気で苦しいなあ、裕一がひとりで苦しいなあ、なんだか苦しい。わたしもきよたんはあまり好きではないという反応をするでしょうね、そう思います。あー苦しいわ。

ストーリーとしては深く今後が気になる話です。私自身妊活をしている事もあり、被害者と加害者の親の気持ちが想像出来て苦しくなります。ただ過保護に育てられた被害者の子は、他の方のレビューにあるように、ちょっと癇に障る所もがあるので、どうしても加害者の子目線で見てしまいます。本当に優しい心を持っているのは加害者の子であり、真実が伝わらない事って世の中多いんだろうなと思わせます。もちろん命を奪うのは赦されない事なので、親は子供の言葉や表面だけで判断してはならないし、裕福が幸せとは限らないと親世代にも知ってもらいたい。