レビュー一覧

何十年ぶりかに読みました。このころの池田先生ってほんとに絵がきれい! そして上流階級の誇り高い令嬢を描くのにぴったりなんですね。主人公妖子のドレスや制服なんかも一見の価値ありです。ストーリーはピカレスク・ロマンっていうんでしょうか。本来悪であるはずの妖子大活躍。といっても妖子の心の傷なんかもちゃんと描いているあたりはさすが。展開も巧みで飽きないです。妖子の養父母のえげつないキャラも好きですねー。結局未完のような終わり方ですが、一話完結なので消化不良にはなりません。続編もぜひ書いていただきたかったです。

全二巻。。。確かにそうなのかも知れませんが、完結していないお話。面白い作品なだけにこんな状態で終わるのは残念です。作品だけなら星五つと評価、それを全二巻完結と詐欺まがいな売り方をされてマイナス一としました。

なんだか妖子がかわいそうでした。頭が良くて勇敢ですごく良い子なのに･･･。

お金持ちの子どもと貧しい子どもの出生をすり替えるというストーリーは数多くあれど、これほど主人公に好感が持てる作品は素晴らしいの一言。真実を知った養父母に憎まれ、傷つきながらも、ふてぶてしく彼らを出し抜く妖子の策略が痛快！こういったストーリーにありがちな、主人公が嘘や口封じを積み重ねて不幸になっていくというものではないので、最後まで安心して楽しめました。

育ての両親がアホすぎる（笑）髪色の違う？赤ちゃん取替えなら母親や周囲が気づくはず。特別室なのに警備も従者もいない。成長途中の容姿で疑惑を抱くんでは？指摘されるまで疑いもしない。真実を知った途端に１２年も育てた娘を苦悩なくあっさり「抹殺しよう」。抹殺計画が漏れまくりでズサンで失敗。

美しくて妖しい池田理代子さんらしい作品です。死刑囚と悪魔の契りの果てに生を受けた呪われた身でありながら、ひたすら愛情を求め続ける哀しい部分・自分の信念に基づいて強く生きる部分もあって、池田悦子さんのストーリーも秀逸です。個人的に「オルフェウス」後半以降の表情が乏しい（のっぺりとした？宮本えりかさんがメインで作画なさってるのだと思いますが…）絵柄よりも、池田さんの画風が強く残る作品の方が好きなので、昔からの池田理代子さんファンにはお勧めです。

主人公妖子は悪魔の血を受け継いでるけれど勇敢で頭も切れる。次々と起こる事件や妖子の命を狙う周囲の人間達を上手く操るところが見もの。池田理代子先生独特の上流社会の優雅で華やかな絵も存分に楽しめます。

ストーリーは変わっていて面白かったけれど設定に無理があります。いくらすり替えられたと解っても１２年間慈しんで育てた娘を突然嫌って殺そうとする親がいるのかな？　悪魔が子供を宿したのであればそれだけの目的があったのでは？それなのにその事には一切ふれず、終わり方も物足りなく中途半端。本当にこれでおわりなの？って思いました。一巻無料だったのと４８時間チケット２枚と読むにはお手頃だったのでおまけして星３つ。

他の方もおっしゃってる通り、あんなに可愛がって育てていたのに、すり替えられた子と分かった途端あんなに冷たくなれるのか?と違和感が否めません。これが上流階級の感覚なのかしら。と思えば、まぁ納得かな?ストーリーはさすが池田悦子先生!といった感じの1話1話完璧な、非の打ち所のない展開。そして池田理代子先生ってこんなにキレイな絵だったのか〜とただただ感心。妖子がホントに美しくて心も綺麗で、どのコマをとっても芸術的に素晴らしいです。名作だと思います!!

悪魔の子という設定なので残虐非道な行為に走るのかと思いきや、周りの人間よりもよほど人情味のある主人公で、楽しく読ませてもらいました。確かに各話は完結しているのですが、全体の物語としては思いっきり続いていますね。そこが消化不良と言えば消化不良なので☆-1させていただきます。