レビュー一覧

初めての作家さんです。絵は決して美麗ではないのですが、淡々とした絵柄と時折見せるハッとさせるような画面構成がなかなか秀逸。泣かされました。ありがちな設定と言えばそうなのかもしれないけれど、500年という時をかけて、主人公とB級アンドロイドが想いあう姿には思わず号泣です。このスケールで話が展開するとは、正直思っていませんでした。1％の望みにかけるのは、それが自分にとってかけがえのないものだから。未来でたった一人、誰も知らない中で生きる主人公の孤独を、アンドロイドが無償の愛でのほほんと癒し続けてくれる。それは単なる「プログラム」なのだけど、主人公にとっては「愛」なのですよね。

もっと評価されて良い作品だと思います。カテゴリはBLですが、『人間が人を愛する理由を突き詰めていく道程の500年』を人間と、出来損ないのアンドロイドとの親交の中で見せて行くというか。砂漠をアンドロイドBを背負って歩く主人公の姿には涙が止まりませんでした。500年後の目覚めの際に主人公が接する博士や４QPの優しさも、たまりません。500年後の世界で、人がアンドロイドを作らず、ロボットと生活するようになった理由について、４QPが自身の見解を述べるところ、アンドロイドBを探しに行ってしまった主人公に対する『祈り』を口にした４QP……。絵に関しては決して突出した画力とは言えないのかもしれませんし、本番シーンがあるわけでもありませんんが、心に響くという点では本当におすすめの一冊です。

私は号泣しました。絵はそんなキレイではないです。ハリウッド映画の　Ａ．Ｉ．でしたっけ、あんなイメージを受けました。どなたかのレビューにあるようにエッチシーンはないです。キス一つなかったような。でも大好きです。私も誰かとこんなつながり方できればいいのに・・と思います。最後、ほんとよかったです。

後半で泣かしにかかってきます。まんまと泣かされました。

泣けると世間で話題の作品でしたので、読みたかったけど過剰な期待は禁物だなと注意して読みました。近未来の話なのかなと思っていたのですが、現代から始まるのですね、SFチックな(冷凍保存して目覚めたらXX年後)要素がありつつ、お話は静かな感じです。涙腺崩壊の鉄板の設定の勝利(絶対に切ない展開になるのが分かってる)もあってそういうのはそれなりに楽しめるので、こういう感じの設定の話を初めて読んだなら確かに号泣ものだと思います。私も、悪くないなあとか、作者さんのオリジナルが強い部分は楽しめるかな…とそんな気を抜いてた矢先でしたが『人間は、ロボットだろうが使用済みの切手だろうが…』の行で涙がバーッと流れました。個人的にはここの表現だけでも読んでよかったなって私は思います。

すごくいい話だと思う。でも、割り切れない気持になって、好きにはなれない話だった。死んでしまった恋人に似せて作られたアンドロイドは、どんなに外見が似ていてもその人ではない。これは、彼とアンドロイドの恋物語だけれども、死んでしまった恋人の気持を考えると、苦いものを噛んだような気持ちになる。

抒情的な作品なんですが、５00年の設定要るかしら? アンドロイド側が吹っ切れ過ぎていて、萌え発生せず。時を隔てた運命の相手というシチュなら大好物ですが、ちょっと違うみたいな感じです。この方の別の作品もそうですが、なんとなく完結していない終わり方に思えました。

号泣して、こりゃレビューは筆が乗るわいと意気込んで他のレビュー見たら、私が感じたことは殆ど全てとうに書いてありました笑。顔も知らない方達ですが、このような愛の形のお話を同じ感性で読んでいたことにもなんだか感激してしまいました。本当に良い作品は人々に共感という素晴らしい感性を与えてくださるのですね。

死んでしまった大好きな人がアンドロイドとして生まれ変わってまた会える…的なものかと読んでみましたが、2度の別れ。普通は大好きな人を追い求めるものかと思いますがアンドロイドを好きになるという設定がなんだか切なくて泣けました。でもきちんとハッピーエンドでほんわか心があったまる、絵の柔らかさとマッチしていてとても良かった♪BLでなくてもいいよね？とツッコミつつ…。作家さんの色なんでしょうね。他の近未来作品もやってくれないかなwエロはなくても素敵な作品でした☆

人は愛情を注ぐ対象がないと孤独に打ち勝つのは難しい、と思わされました。山中さんの作品にハマるきっかけになった作品で、こちらでサンプルを見た後で紙の本を購入して読みました。自分の時代の物も人もいない、風景も全く違う。壮絶な孤独。後からヒカルAが現れても、目が覚めて一番最初に見たヒカルBがもうストンと入ってしまったような。ヒカルBが孤独を癒したのは、不完全で完璧でないからこそ、その度に感情のぶつかる相手になってくれたからでは。最初に会ったのがソツのないヒカルAだったら。姿形が完璧であるほど、虎雄は辛いような気がする。ヒカルBも500年後の世界ではずっと過去のものになって、虎雄と前時代者仲間として、今の時代を知らない者同士で仲良くやって行けそうなラストにホッとしました。