レビュー一覧

シリーズ最終話ではロックフォード公爵の花嫁探しをすることになるフランチェスカ。15年前とか、夫が亡くなって６年とか長過ぎ！と思うけど、公爵の思いの強さや、フランチェスカが再婚を躊躇う理由に何度もせつなくなりました。再婚とか、39歳と34歳とか、少し萎える条件だと読む前は思っていたものの、むしろ初々しさすらあり、全く気になりません。公爵はひたすら頼もしくて本当に素敵。どんなときも紳士です。第一話から読み直すと、黒い瞳でシンクレアがフランチェスカを見つめている描写がしばしば出ていました。それぞれどんなことを思っていたのか妄想して、さらにせつなく萌えました(笑)。エピローグには、一話からのカップルのその後が少し描かれます。皆幸せそうで良かった。欲を言えば、フランチェスカの結婚を聞いた皆の反応(特にレディオデリア！)も知りたかったけど、これは脳内妄想で補完します(笑)。

最終話に相応しく、本人である伯爵未亡人と、最初から登場していた公爵との過去、現在、未来のお話です。何かを感じさせられていましたが、そのことで罪悪感を持つことから始まる幼馴染みでもあり、家族ぐるみの交流のある仲のよい友だちでもあった二人のお話とヒロインであるフランチェスカが彼を忘れる為にした結婚の顛末と、亡き夫を含めた過去の苦悩の再来ともいえるお話に、いつの間にかなスッカリ夢中になっていました(*^_^*) 最後の部分でもう一波乱有っても良いとも思いましたが、終わり良ければの感はありますが、ヨシとしました( ´ ▽ ` )ﾉ

ヒロインがかわいそうで泣けました。幸せになれて良かったです。

シリーズもののようで、私は前の作品を全く読んでいませんが楽しめました(前の作品を読んでいれば更に楽しめるかと思いますが…)。幼なじみで元婚約者でもあるヒーローとヒロインの大人の復活愛です。様々な人生を経験した大人2人の話なので、読んでいて結構切ない気持ちにもなりました。ヒロインは15年を経て二人が婚約破棄した理由を知り、昔傷つけた婚約者(ヒーロー)に花嫁を見つけようと奮闘。その意図を知ったヒーローとのやりとりを通じた愛の復活を描いています。ゴシップとファッションが大好きなヒロインと、冷静で厳格なヒーロー。正反対のキャラですが、二人の結びつきの深さと長さが会話の随所に現れています。実はヒロインをずっと見守り続け、陰で支え続けていたヒーロー。エンディングに向かうにつれ、ヒロインを想うヒーローの情熱がむき出しになってきてとても良かっただけに、なんでこんなに離れていたのか〜不思議!! エンディングはとっても◎ですよ

シンクレアのかっこよさと、一途な想いと陰での密かな援助に敬を表してこの評価ですね。ちょっと感動ものですから。フランチェスカの若さゆえの愚かさは、やってしまうものかもと思わずにはいられないのでマイナスにもできないし、その相手がどーしよーもない野郎だったけど、これがすごくいいやつなら、シンクレアの想いは一生報われないな。そう思うと、ちょっと複雑です。

シリーズのこの前の作品は、この作品のためにあるようなもので、1作目、2作目で仄めかされ3作目で明らかになったフランチェスカとシンクレアの過去の関係が、2人の今とこれからの関係を変えていく話です。前巻で明らかになった通り、別れの原因になったシンクレアの情事は全くの濡れ衣だったと分かり、フランチェスカはそれを知ったことをシンクレアに話して謝罪します。それで復縁するには別離の期間があまりに長いけれど、シンクレアはかすかに希望を認めて（きっと）、とうとう彼女との距離を縮めるのが本作です。フランチェスカは、人付き合いにおいては如才なく、美的センスに優れて社交界の名花であるものの、あまり賢くはありません（本作以外では、素晴らしい機転をきかせたりするのですが。）。そもそも、過去の結婚自体が、若かっただけでは済まない愚かな失敗です。愚かでしたが、いまは、愚かだったツケを払いながら、自分の力で何とかやりくりして数年を凌いでいるところが、ヒロインにふさわしい魅力を与えています。

シリーズ全4作の完結作です。コレ単独でもでも楽しめますが出来れば3作目は読んでおいた方が最も楽しめると思います。しりーずの中でもこの話が一番面白く、キャラクターも魅力的でした。

いよいよフランチェスカの話、相手はシンクレア、この二人婚約していたとは。大人同士でも一途な純愛、密かな思いが再燃します。色々あって、こじれてしまって、でも素晴らしいハッピーエンド、前作を読んでいなくてもOK、更に楽しむには、やはり一巻からがお勧めです。