レビュー一覧

あいする、と、この作品では愛という感じをほとんど使わず、ひらがなで表記しています。それはきっと、愛という漢字が持っている強い意味を出したくなかったのではないでしょうか。名前すら与えられなかった奴隷の少女は、出会った異国の将軍の青年に名前を、生活を、すべてをもらい、人間として生き始めます。優しくて弱くて、でも芯が強い少女は、苦しみながら大人になろうとする。あいする人と共に生きていきたいからなのでしょう。苦しくて、切ない、純愛ロマンスです。すごく大事件が起こるわけでもなく、描写は淡々としていますが、この作品はそれがいいのだと思います。

ダラダラとではなく淡々と、話が進んでいく。物心つく年頃なっても、奴隷の立場でこき使われる主人公。脱獄に、彼女がどう関わった私はりかいできなかった。煙幕なげたのか？まともな心を持てないまま、ただ生きて来た彼女は、りゆんの光源氏計画にはまり、計画は達成された。

話は淡々と進んでいきますが、切なくて優しいお話でした。読後感もよかったです。

柔らかな雰囲気の世界観で、とても大好きです。つらいエピソードもあるけれど、最終的にはブランカとリユンの優しさであたたかい気持ちになれます。ブランカが幼いときからお話がスタートしますが、はじめからずっとブランカを応援しながら読みました。表紙では幼い女の子の印象ですが、物語が進むにつれて、きちんとした芯のあるすてきな女性に描かれていきます。ブランカとリユンの関係は本当に大好き！この淡い世界観をぜひ堪能してみて欲しいです。