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シリーズ第三話は、ロミオとジュリエットです。貴族社会で最も位が高く、資産家でもあるロックフォード公爵の妹と、公爵と犬猿の仲の伯爵の物語。本作では、縁結びの役割はフランチェスカというよりも、結果的にヒーローの姉が果たしたかも。彼女が弟を自分と同じくらい堕落した屑だと思って仕掛けてくるいろいろが、二人を近づけます。ロマンスとちょっとしたミステリーの融合が、キャンディス・キャンプの持ち味。本作では姉の罠の他に、フランチェスカ、ロックフォード、ヒーローの姉の過去の一件が明らかにされて、これは最終話への布石にもなります。といっても、本作も最終話も、単体でも十分楽しめる作品ですが、この前振りが、第四話を一層味わい深いものにしていました。シリーズを通して読んで気がついたのですが、ホットなシーンに、ヒーローそれぞれの癖というか、ちょっとした嗜好が出ているかも。上手く描き分けてると思いました。しかし、ヒーローの姉がなんと邪悪なことか。あんな人と縁ができるのは、先が思いやられるなあと心配してしまいました。

面白いのだけれど主役カップルよりフランチェスカと公爵の関係の方が気になる。

本作では、フランチェスカとシンクレアの過去の秘密が明らかになり、シリーズを通しての山場に差しかかって幕を閉じます。そういう位置づけなので、大まかには、すごく面白いけれど、普段はとても賢いカリーがしばしば愚かな行動をとる不自然さ、今は随分と賢くなったフランチェスカの若い頃の愚かさが、賢くなったはずの今にも残っている残念さ、性悪女が報いを受けていないことでのこるもやもや、そういうものが足を引っ張っています。最終巻に期待します。

敵の妹でも恋の落ちたら一途、全てが嘘だったと分かったら姉と訣別することも厭わない。ヒーローもやっと大人になったという事か・・。それにしてもダフネって嫌な女、次作でも絡む？