レビュー一覧

さすが西田先生の作品はハズレが無いですね！って大分使い回された台詞ですがこの作品もとっても面白かったです。表題作は元同級生同士のラブストーリー、教師×ヤクザです。この設定を知っただけで入荷前からワクワクしてました。他のレビュワーの方が書かれている通り、確かに「ディビジョン」ぽい雰囲気です。過疎地(？)での愛の逃避行らへんでそう思いました。物語の終盤、お互いの安否が分からなくなった切羽詰まった状態で、姫野が感情を露にするシーンが好きです。あの表情を見れただけでも購入して良かったなぁと感無量。出て来る女性陣も格好よくて素敵な人ばかり。かなり期待のハードルを上げて読みましたが、それを上回り満足です。同時収録の短編の「花嫁によろしく」も大変面白かったです。安定のオヤジが出て来るし、お話の最後の終わり方が好きです。何回も読み直してしまった・・・。そして、おまけまんがの謎の行動をする鳥さんは今回も健在です。

待ってましたの作者買い！ヤクザと教師という正反対の道を歩みつつ腐れ縁的な関係だった二人が、一転して逃避行のような環境の中で急速に距離を縮めていく・・・というようなお話です。というとちょっと「ディヴィジョン」に似てるみたいに聞こえますが、実は雰囲気も結構似てたりする(笑)。ただこちらの方がもっとハードボイルドな感じで、受はかなりのツンデレ。お前なんかどうでもいい死んでしまえと言いながらも、攻がいなくなっただけで激しく動揺するあたりが、大の男のクセに妙に可愛いというか。エロもこの作者様にしては多めで生々しい感じです。１つだけ違う短編のお話（おじ様系）も入ってますが、安定の１冊ということで星５つ。

いわゆる可愛い、とか、キレイ、とか、そんなファンタジー的なBLではなく、世界のどこかで生きている「ゲイ」達の、きれい事ではない『生きざま』を描いた作品だと思いました。エロスではなく、もっとどろどろしていて血なまぐさい、生々しいセックスシーンは、荒々しくて、激しくて、つい目を背けたくなってしまうような印象でした。熱くて、強い、そんな作品です。

な、、なんじゃこりゃーーー！！！！！ 泥臭く、男臭い。キラキラしたものなんて微塵もない。 なのに、ほんの一コマの俯いた表情をこんなに愛おしく感じるなんて！！！ 二作目の花嫁のお話も、なんともニクい、可愛い終わり方で…。 できるなら、これを長編でも読んでもみたかったです。 恥ずかしながら、今作が西田作品初読でしたが、BL読者として西田先生に心より敬意を払いたいと思います。 これから先生の作品、全て巡礼させて頂きます！！！

はああああ、また西田先生にやられてしまったっていう一冊ですよ。西田ファンなら間違いなくお薦め。他のレビュア―の方も書かれてますが、ディビジョンと同様に海外逃亡ものですがディビジョン以上にハードボイルド。かなり、しびれます。ちなみにディビジョンは攻め受け一目で分かりますが、こっちはどっちでもいける感じです。でもこっちが受けてくれ〜〜〜っていう私の個人的な願いも叶って幸せでした。あと短編は、昔の西田さんを彷彿とさせる感じで、「以前の西田さんて、こういうオヤジが主役だったよね〜」と懐かしく、ストーリーも暖かく、私は超好きでした。オヤジスキーおよび、往年の西田ファンにもお薦めです。

これこれ！これなんです！ディビジョンと並ぶ私のイチ押し西田東作品は。一見、真逆の道に進んだ年季の入った元同級生。この2人が水面下でお互いを意識しながらも抑えてきたものが、ヤクザな彼の『逃亡』をきっかけに地獄温泉の間欠泉(要は素直に1回でサクっと出ないといいますか、小出し？)みたくドロっドロに噴き出してくるところが非常に堪りません。ソレ以外にも、2人の逃亡劇を通して教え子や逃亡先の民間人マダムからタイトル通り『天国も地獄も』貫き通して愛する人間の覚悟と強さを見せてもらえます。その強さはヤクザにも劣らず、正に人生開き直り劇場です。読み応えありますので、チケット追加購入してでも読んでもらいたいです。同時収録の作品も淋しくほろ苦いウイスキーを思わせる大人の人間ドラマです。最後のくだりは付け合わせフルーティなチョコ、といった感じですかね。

いやあ、これも男臭さ大爆発の素敵な大人BLでした！！元同級生で現在教師とヤクザの二人が組長から逃げて海外へ高飛びするハードボイルドロマンとでも言いましょうか…。私はこれを読んでいて、吉田秋生のバナナフィッシュをつい思い出しちゃいました。とにかくページから立ち上る主人公たちの男臭さと人間臭さがすごい。二人が普段は何気ない顔をして、自分の持ち場で自分の仕事をしていながら、実は何よりも誰よりもお互いを大事に思い合っていて、いざってときには相手のために自分の全てを投げ捨ててしまう…作者様の作品全てに言えることなんでしょうが、BLという枠を超えた、大人の男の上質な人間ドラマだと言えるでしょう。

作者買い。お互いに共にあるためだけに生きているっていう、苦しいほどの愛の話です。ただそこは西田作品、甘美な恋愛とは無縁で、粗雑で男臭い二人の関係。フェイスに収録の番外編も併せて読むと、この二人がどれだけ強く結びついてるか感じられてウルッと来ます。

プロットがまずほんと上手で感動した。導入部から掴まれて、そのままラストまで離さない感じです。小気味よい会話回しも飽きさせないけど、たまにフッと入る心情部分で緩急つけるというか・・・とにかく最後まで一息も付けず読み終わりました。表題作は、ずーっと死亡フラグが二人の頭上にチラついてたのでハラハラしながら。ああこういう終わり方か、と。その余韻と読者にゆだねる感じが心地良い。２作目の方も、うまい。どっちかというと好みではこっち。結婚式場・職場・バー、と場所を移すだけで、人物はずっと二人。変化が訪れていくのをじっくり眺めているだけなのに、なんだろうこの至福感はと思ってしまう。読めて良かったなぁ。

教師である城田の狂気の満ちた性格や愛情が好きですね。こういったキャラは魅力的！ヤクザの姫ちゃんのほうが、いろいろな意味でわかりやすい。ほんとに西田先生のセリフまわしが神がかってますね。「なぜ俺に惚れた？」、「お前が俺に惚れたからだ」というセリフ…悶えましたよ…胸が千切れそうに苦しい…西田先生って神なの？！惚れるのも地獄、惚れられるも地獄という言葉を思い出し、この２人にぴったしですわ。ドラマとか映画とかにならないかな…読み応えもも充分、ストーリー重視で、でもエロもほしいというかたにお勧めです。同級生で教師×ヤクザの逃亡劇愛をどうぞ召し上がれ！