レビュー一覧

BLによくあるストーリー設定かもしれませんが、この作者さんの手にかかれば、BLあるある展開だけでは済まされないのが良い所。話にグイグイ引き込まれて行きました。花街の雰囲気、花魁・女郎の悲しい運命がよく書かれていて、胸打たれました。主人公が自分の置かれた運命に翻弄されられながらも、強く生きて行く姿が素敵です。攻めの不器用な優しさもツボでした。花街をテーマにしているだけあって、この作者さんにしてはエロ多めで良かったです。間違いなく★5です。

私はこれまで、男花魁モノは避けてきました。なぜなら、私はリアリティーの感じられないお話は、途中で読む気が失せてしまうからです。影間ならまだしも、男花魁は現実的にあり得ないだろう、と。事実、以前かじり読みした他の男花魁モノでは、ご都合主義満載でしたから。しかし、この作家さんは、類いまれなる文章力をお持ちだし、レビューでも高い評価を得られてますので、試しに読んでみようと思いました。この作品を読んで一番感じたことは、物語を書くに当たっては、劇中の時代背景や文化等を、自分が教師となり学校で授業できるほどに研究して、知識を深めることが大事なのだな、と感じました。この作家さんはものすごくしっかりと勉強してらっしゃると思いますし、その知識に裏打ちされた文章だからこそ、キャラクターがまるでそこに生きているかのような息づかいを纏うのではないかと思います。とにかく、決してご都合主義なんかではない説得力のある人物設定かつ、脇役の一人一人まで愛おしい、とても良い作品でした。

吉原で育ちながら吉原に売られ、男なのに花魁にまで上りつめた暁芳と真面目な青年実業家・貴師の恋路……ありがちな展開ながら、西苑寺と華月、志乃と華嵐、貴師と暁芳の過去なんかが綺麗に紡がれていてなかなか面白かった！ エロさもバッチリ！ こんなにすぐ身請けして貰える金持ちだったからハピエンになり得たかな〜（笑）こんな上手くは行かんだろーとも思うが、まあ〜イイか〜（笑）

よくある設定ですが、一筋縄ではない展開、エロのバランスもよく、きゅんきゅんウルウルさせられました。おもしろかった〜！

オススメします！！元々 花魁や和風の話は好きで何作か読んでましたが この作者さんは文章作りが上手いです！スッと物語の中に入り込めて楽しめました！！切ない話もありますが後味も良く楽しめる一冊でした。最後に絵描きの話はどうなったのか気になりますが。もしかしたら読み忘れてしまってるのかもしれないのでもう一度読み直してみます。とてもオススメなので星五つで。

男花魁いまいち想像つかなかったのですが、キレイなイラストで助けられました。そこはかとない暗さを感じてもしやラストはバッドエンドでは？とドキドキしましたが、ハッピーエンドで良かったです。

定番ものって言えばそうなんですが、ストーリーの筋立てがしっかりしてるからじっくり読めます。作者の力量ですね。子爵様には泣かされました。

榎田さんの他の作品と比べたら☆４かと思いました。すごく王道です。榎田さんの作品は沢山ありますが、もっと切ない話も、もっとエロスを感じる話もあるので。この時代とか、花魁とかの設定に惹かれる方にはいいと思います。

榎田尤利先生にしては珍しいシュチュエーションです。

BLはファンタジー設定が多いから割と何でも受入れてきましたが、この作者さんの話には心情的な辻褄が合わない所が無いのが良いですね。無理なくそうだよねーとうなずけてしまいどんどん惹き込まれて読んでしまいます。