レビュー一覧

凄く良かったです。普通が良い。あ、いや、普通じゃないのか？笑。男×男に限らず、男女の恋愛だって、みんなグルグル悩むし、勘違いして勝手に自己解決して失敗します。でも…男同士だったら、プライドやら意地が邪魔をして、余計にややこしくなるわよね。ややこしや～。よくる展開だとしても、榎田さんの文書力のすばらしさにいつも翻弄されてドキドキさせられちゃう私。今回もしかり。胸がキューンとさせられちゃいました。切ない展開が恋に振り回されていた頃の自分を思い出しました。甘々でキュンキュン萌え萌えが好きな方にはお勧めできませんが、30過ぎのおばちゃん初級者には楽しめましたよ！！

BL小説は初めてでしたが、おもしろかった！木下けいこさんが大好きなので、表紙に惹かれてレンタルしましたが、表紙の二人が頭の中で動き出すような、そんな感じでした。お互いにノンケな二人が段々と近くなってく、そのドキドキ感というかじれったさみたいなのもまた良かったです。

今までと全く違う性的嗜好を受け入れるのって、年齢に関係なく大変なことだとは思うけど、歳を重ねれば重ねるほど難しいことだと思います。その辺りの心の葛藤や戸惑いが丁寧に描かれています。「普通」と「変」の境って本当は紙一重なんじゃないかと思いました。BLというジャンルだけでなく、幅広い人に読んでもらいたい良作です。

面白い。ギャグが、とかコメディが、じゃなくて小説として面白かったです。ＢがＬしているんだから確かにＢＬものではありますが、誤解を恐れず言うならＢＬとしてでなくてもちゃんとした小説で、そこがよかったです。今世の中色々言われていて妄想部分だけでご飯食べられる人も擬人化でも何でもファンタジーだからいいじゃんという人も増えましたが、ちゃんとした読み物になっているものにも触れて欲しいなと思います。この作家さんのような腕前の方はそうはいませんので。

コミック派なんで小説はあまり読みませんが、榎田さんの作品の中にも評価高かったし、木下さんの表紙もすてきだったので、11枚の大量出血…のわりには「普通」でした。後半に出てくる当て馬の著者さんは、あまりにも当て馬すぎて(?)展開見え見え。離婚した元妻の設定もひねりが感じられない。結構長めなので時間つぶしになりました。

ノンケ2人が、お互い意識しちゃって、あたふたしながらも不器用に恋をして、お互いを認め合うお話でした。男同士の普通の恋愛小説。普通なんだけど、とても特別な。羨ましくなってしまうほど、素敵な2人の恋物語でした。

どーしてこんなにレビューが少ないんでしょうか。かくいう私も一読したときは本作の魅力に気づかなかったですが…。「普通」のサラリーマン二人がお仕事しながらぐるぐるしてます。「普通」ってなんだ、じゃあ「普通」から外れたらそれは「変」なのか？エッチな描写もイチャイチャも少ないので、物足りなさがあるかもしれません。ですが、ノーマルだったはずの自分の性的嗜好が変わるって、そりゃなかなか受け入れられないよなぁ～って年とった今なら分かります。そういうリアリティーがよく描かれてると思います。

普通とは？ちょっと考えさせられました。エロはあまりないです。2人がお互いの気持ちを伝えあって手をつなぐ所で終わリました。えっーここで終わるの？と思わず叫んでしまい、でもこんな終わり方もたまにはいいか。普通のひとにはこの先の展開は引くよね。これはこれで、と内なる声がなだめてくれました。

ワンダフルライフ！が一冊丸々読んでの感想。「普通のひと」という題名、おじさんに片足突っ込んだ？リーマン、オマケにふたりともノンケとくれば地味なお話かなーなんて先入観たっぷりで読み進めましたが…。さすが榎田先生、グイグイお話に引き込んでくれます。普通って何？恋ってどんなもの？人生って？哲学って実はこんな身近な事を考え続けることかもね…なんて考えさせられたり。個人的には２編目の「普通の恋」がめっちゃ好き！恋に落ちたふたりが自分の気持ちをいろんな言葉で例えているんですが、これが秀逸！可愛かったり、可笑しかったり、心に響いてきます。

普通のお話ってすごく好きだな。2人の両方からの視点で語られているのも好きな小説のタイプです。「どうしても触れた...」を彷彿とさせる主人公たちで、そこまで起伏があるわけでなく、淡々と恋愛が進んで行く、結局どんな恋愛も本当は淡々としているのだろうな、と気づかされたお話でした。