レビュー一覧

交渉人シリーズ3作目ですね！ほんと文章力に言葉のチョイスが最高です。たくさん笑えて、今回はせつないとこもあり、これから先も楽しみです。

第三弾で現在に至る原因となった、芽吹の過去が明らかに。兵頭の香りで薬で飛んでた芽吹が覚醒するシーンに鳥肌が立ちました。『どんなあんただって、手放す気はねぇ。』敬語が崩れ、本心の言葉になる時の兵頭に痺れます。

今回は芽吹の弁護士時代の過去がベースにあり、ちょっとシリアス＆切ないエピソードでした。前作に続き「信じる」が大切なキーワード。芽吹が「“信じたい”っていうのは、かえせば“信じてない”って事だ」と言うのに対し、兵頭が「悪いが、あんたなんか信じてない。」「信じちゃいないがー惚れてます。」「惚れた相手ほど、信じられない。」と返すのが男前でした。（だってしょっちゅう兵頭の見てないところで七五三野とくっ付いてるしね…笑）このシリーズの魅力の一つに、交渉人芽吹が巻き込まれてしまう「事件」がありますが、今回の振り込め詐欺のリーダー朝比奈の過去。事件被害者は勿論、加害者本人のみならずその家族までもが社会的制裁を受けてしまうという現実には考えさせられました。

三作目で、兵頭、芽吹の距離がどんどん近くなってきます。二人の掛け合いは読んでいてテンポがよくて面白いのに、グッと近くなった時の会話にはどんどん重みが増していきます。まだまだ芽吹の知られていない辛そうな過去が出てきそうですが、あまり辛すぎないことを願いつつ、続きを楽しみにしています。

「執事の特権」が好きでした。他作家さんの作品の続きが読みたくてつい購入してしまった隔月刊誌で同じ作家さんと知らずに「nez［ネ］」に嵌り、もっと読みたくなり小説の方に手を出し、さらにこの作家さんのものが読みたくなって「交渉人」シリーズへ。推理小説は結末を先に読んでしまい、面白い作品も飛ばし読みするせっかちで堪え性の無いダメ読者な私が、全く飛ばし読みする気にならなかったです。退屈する暇が無い。笑いあり、エロあり、アブナイ？愛あり。イラストもだけど、電車の中とか人目のある所で読むのは気をつけないと、笑いを堪えてへんな人になりそうです。でも、この回に来て初めてちょっと飛ばし読みしちゃったので☆4つ。でも、初めて涙しました。

クライマックス、芽吹の言動に圧倒されます。そして淡々とした結末。切ないです。ラブとお話を楽しめる、秀逸な作品です。

最悪の末路に胸が痛むお話でしたが、2人の関係は間違いなく進展した3作目。シリアス色が濃厚ですが笑い処も健在で、相変わらずの読み応えです。

勝って終わったはずの事件がやるせない結末を迎えます。最後にちょっとだけ救済エピがあるけど、だからこそやるせない。この結末はもっと深い芽吹の闇を掘り起こすきっかけになっていくのがもう。。一方で仕事が傾くと支え合うもので兵頭との関係はなくてはならないものになってきました。ますます読むのを止められない展開！

芽吹の弱さと未だ明かされていない闇の一部が垣間見えた三作目。大団円では終わらない本作ですが、弱っている自分を支えてくれるのが兵頭なのだと気付けたという点では良かったなと思いました。ギリギリの譲歩とはいえ、芽吹のために己の立場を踏み越える兵頭は相変わらず格好良かったです。

今回は、前作、前前作と違い、助けたい人を助けられない話でした。そのため、芽吹のショックも大きく、エロも少なめ。でもだからこそ兵頭との絆が深まったんでしょうね…