レビュー一覧

この作家さんの人間性でしょうか？泣けるんですよね。心に傷をもった人を書かせたら、説得力２倍。

伊藤悶さんなので借りました。容姿に自信あるキャリアウーマンが盲人でやり手ビジネスマンを車ではねて…という話。恋すればするほどハンディキャップが圧し掛かる姿が切ない(T＿T)ヒロインが心の美しさに気づきどんどん綺麗になっていきます。すごくいい話でした。

ハーレの中でも、屈指の良い話だと思います。自他共に認める美貌の主である野心的なキャリアウーマンが、盲導犬を跳ねてしまうことから始まるお話。自信溢れる外面が通用しない相手に、虚飾をズバリと指摘されたヒロインが、見えないふりをしていた自分自身の真実に向き合っていく姿はとても真摯で、真面目で知的な人柄を知るにつれ、読者も彼女の魅力の源泉がいつの間にか外から内に置き換わっているのに気が付きます。一方で、中途失明に負けまいと常に自らを奮い立たせて来たヒーローも、所謂完璧超人ではありません。頑固で誇り高く、時に偏屈にすらなりながら、昂然と運命に立ち向かって来た彼も、暗闇の中で掴みかけたヒロインという希望を持ち続けていく勇気が足りず、一度は彼女を突き放してしまいます。この二人の繊細な心の変遷を中心に、ヒーローの健気で可愛い娘と負傷した盲導犬の三人と一匹が、それぞれの心の傷と向き合う力を、互いの内に見出していく過程が、細やかに描かれます。最後の展開は御都合主義の誹りを免れ得ませんが、今まで頑張って来たことへの神様のご褒美としては十分に受け入れられるものです。本当のクライマックスはその直前の夜中のシーン、垣根越しの邂逅ですね。なので、最後はおまけの後日談のようなものだと思っています。胸に沁みる静かな物語です。

とても素敵なストーリー気持ちがあらわれました

ラストには色々な意見があるようだけど、私はこれはこれで良かったなと思った。確かにそれまでの落ち着いた大人同士の恋愛の良い展開の割にあっさり描かれていたけれど、苦しんだ分みんなで幸せになるんだと希望に溢れた終わり方だったと思った。

激しい愛ではないけれど、静かな大人の愛と家族愛に溢れたステキな作品でしたね！

　どなたかがレビューで書いてあった通り、私は手術の結果がわかる前日の夜が好きです。目が見えても見えなくても愛している、という事実が。心が温かくなるお話でした。最後が駆け足なのが残念。３人一緒の、いえ、プラス２匹のもっとハッピーなシーンが見たかったかな。

感動的でした。内容と絵柄がよく合っていると思います。最後はまあ手術は成功するんだろうけれど、このまま見えなくても３人の幸せはあるんじゃないかなとか………。

いいお話でした。でも、最後は…今までのままでもよかったのでは、と思ってしまいました。

大人の恋愛で、温かいお話でした。