レビュー一覧

ヒロインの兄の死の原因であるヒーロー。そのことで自分をずっと責め続け、またヒロインにも酷い態度をとられます。物語の前半はずっとこんな調子でなんて可哀想なヒーローなんだろう、ダイアナパーマーのヒーローたちに見せてやりたいと思ってましたが、後半になり大丈夫になりました(何が笑)ヒロインがドアを開けないのでマスターキーで押し入り、逃げようとする所を後ろから壁ドン、鍵をかけて閉じ込める所が素敵でした。でもセックスだけで2人の関係が良くなる訳もなく、さらなる苦悩に投げ込まれていきます。最後ヒロインと結ばれて良かった。でなければヒーローへ生きながら死んでいるも同然で、そのまま人生が終わってしまうところだったからです。

過去の悲しい出来事でジオを憎むヴァレンティーナ。それよりももっと自分を憎むジオ。本当はとても惹かれあっているのに素直に自分の心を見つめる事の出来ないヴァレンティーナと彼女を一生手に入れることは出来ないと諦めつつ欲望を抑えられないジオ。どうなるのかハラハラしましたが最後まで一気に読み進めました。

最後は結ばれて良かった、と思いました。特に、孤独なヒーローを思うと、ハッピーになって欲しいなと思う作品でした。名家に生まれながらも、家族に顧みられないヒーロー（その家族はこの話にはほとんど出ても来ませんでしたが）、そのまだ若い実は惹かれ合っていた二人の間には、ヒーローの親友であるヒロイン兄の死によって大きな隔たりができてしまいます。兄の死の場面にヒーローが関わっていたからって、その時のヒロインの責めの言動が酷すぎて、ヒーローの心情を思うと苦しくなります。まぁ、酷い事には違いはないけど、最後でのヒロインの告白に、あ、そういう意味もあったんだと少しわかりました。でも、ヒーロー勉強もほとんどしなかった、って言っているのに、こんなに成功した実業家になれちゃうってことあるのかなー、そこも羨ましかった(笑)