レビュー一覧

良かったです！この方の「夜はあどけなく」が好きで。2作品入ってます。本編が高校生の寮で同室となって親しくなって…というお話。こう書くとすごく普通なんですが（笑）、「手の指」をからめて、しっとり丁寧に、攻め受け双方の心の揺れ動きを描いてみせてくれています。なんともエロい！この方の作風なんでしょうが、初出が古くないわりには少しジュネっぽいというか、今の派手なBLにはない、なんというか地味ながらもいい雰囲気を醸し出してくれてます。モノローグなどが大変よい。2作品目、就活面接でゲイカムアウトしてしまった新入社員に先輩社員が惹かれていくんですけど、2人の距離の縮まり方が、やっぱり派手でなく地味なんですけど、じわじわ〜っと琴線に触れてくるというか。あぁ、こういう作品って好きですよ〜。

表題作と、そのほかに短編が１つ収録されています。ほとんどが表題作カップルのお話です。初めて読んだ作家さんで、失礼ながらそれほど期待してはいなかったのですが、すごくよかったっ！！！両思いになったかどうかがあいまいで、あいまいなものが少しずつ確かになっていく過程が私にはよかったです。心情をあらわす表現が難解な言葉を使っているわけでもないのに、すごく新鮮な言い回しに思えて、その点もよかったです。主人公二人の間にちょっとしたすれ違いが起きたとき、他人の手を借りずに、ちゃんと本人たちが向き合うことで解決していくというのも自分の好みにはあっていました。借りてよかった〜。思わぬ掘り出し物でした。短編もよかったです。続きを読みたいと思うくらい。

おー、野守さんだー！と思って即ポチ。派手さがないのですが(失礼)すんごくいい空気感のお話を描かれる方なんですよねー。読んだことない方は是非是非読んでもらいたいなぁ。二つのカップルのお話が載っていますが、メインは表題作の高校生で寮の同室設定です。ん~在り来たり~な設定なんですが、ジワジワ~っと二人の距離が縮まってく感じがたまら~ん！！どっちもちゃんと男の子で、いちゃこらイチャコラしてるばっかりじゃないとこが良い。でもって、どこかしら色っぽいのがまた良い。あんまりたくさんの作品を目にすることがないのが残念極まりないのですよ。もうひとつのお話は、二人のこれからが何故載ってない！って地団駄踏みますが、こちらは大人の二人のお話で、また良かったです。

久しぶりにこの作家さんの作品を読みました。よかったです。静かに流れる時間、高校生という独特の時間、なんとも言えない雰囲気がかなかな・・・美味でした。この雰囲気に酔いしれたくて何度も読み返しています。

思っていたよりずっと良かったです。少しずつお互いが気になって触れ合う過程が自然で、所々入るモノローグが独特の空気感を作っていたように思います。絵も安定してましたし。でもちょっとモノローグ多すぎたかなという気がしないでもないので、星一つマイナスです。

今私の中でお祭り開催中で、この作者さん片っ端から読み返しています。わりと好きな作家さんなので、電子化されているのが少ないのが残念。触れるすべを探り、触れられる意味を探り…はじめはあった会話も止み、静寂の中で指を絡め合う二人。ひいっ、心臓が口から出そう。こういうあやふやな関係のドキドキを表現するのがお上手な作家さんだと思います。心理描写も的確なので、ウルッとくるところもあったり。ただ作風はちょっと古臭いので大衆受けはしないのかな。

高校生の寮同室のお話。スゴくありふれているストーリーなのですが、丁寧な運びで２人の心の揺れが何とも言えず心地良い。初心者向けかと思うほど、エロもエッチも少なく物足りないと思う方もいるかもしれませんが、手フェチには堪らんエロさは充分含まれているので、ほんの少しマニア向けかと。

無口で一匹狼キャラの江長と真面目で穏やかな貝藤。江長が貝藤の指を触ることから2人の距離が縮まっていきます。それからキス、こすりっこ…と進展していきますが、貝藤はこの関係が何なのか悩みます。1、5話は江長目線で2〜4、6、7話は貝藤目線で語られる物語です。基本ポーカーフェイスの江長が5話から少しだけ表情が柔らかくなってます。心理描写が細かく描かれていて気に入りましたが、最後まで江長から「好き」と告白がなかったことが不満です。もう一つ「うつむく君が」という短編が入ってます。会社の面接でゲイだとカムアウトしちゃった香芝とその上司(?)の尾島の話です。香芝に対する尾島の優しさにきゅんとしました。良作。

「今までなんともなかったのに、ある日を境に相手の存在が大きくなる」というシチュエーションが好きなので、良かったです。好きになるきっかけとか、お互いを想っていく過程などがちゃんと描かれている作品って数としては少ない？しかも抑えた感じがたまらない！こういうの大好き！というか「好物」と言ってもいいくらいです。

タイトルのごとく静かなお話でした。手の指とかピアノとかのモチーフがとても素敵に絡み合っていたと思います。手を触るのがやっぱエロい…。７話分で完結なので一話一話が短い中に何しか動きもあってＰ数の割にポイントが押さえてある感じが読みやすかったです。もう一つ入ってた短編も悪くない話でしたが、表題の余韻が好きだったのでできれば二人のその後が読みたかったなと思いました。