ホントに素晴らしくて、 大好きです。スピンオフ含めこの新聞社シリーズを一気に読んでしまい頭がぼんやりとまだストーリーの世界に浸っている状態でレビューします。若さゆえすれ違って成就しなかった高校生の頃の恋。13年後香港での再会。現地で関係を持っていた上司などが絡んでくるのですが、深い、ふかーいハッピーエンド。上司のスピンオフ「off you go」も読んでみて、改めて再読してみるとますますこのお話が切なく煌めいてみえます。表現一つとっても秀逸でどっぷり世界観に浸れます。お休みの前夜に特にオススメします…。
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すごく良かった!働く男の恋愛を書かせたら、一穂先生の右に出るものはいない、と個人的に思っています。「ふったら~」も「イエスか~」もそうですが、一穂先生の状況や心情の描写は本当にリアル。今回、香港の描写は正直、私自身完璧に理解できていないと思うのですが、詳細が描かれてるのとないのでは全然違う。このお話は、高校時代に惹かれあっても結ばれることがなかったふたりが、13年のときを経て再会します。高校時代は、独特な雰囲気でどこかほっとけない一束と人気者の圭輔の、惹かれあう様子にドキドキ。大人になってより人間味が増したふたりの、再会後の距離感にもドキドキ。昔も今も、素直になんでも言いたいこと言えたらこんな苦労はない。けど、嫌われたくないから口をつぐむ。大人だから、相手との距離を測る。切なくて胸が締め付けられます。また、印象的だったのが上司の存在。彼と一束の関係だけでなく、彼と圭輔の互いに対する複雑な感情が、物語により厚みを持たせていると感じました。この胸の中にある熱い気持ちを現せる語彙の少なさにやきもきしつつ……とにかくオススメです!ってことだけはお伝えしたいです。