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10代の過剰なまでの感傷から遠ーーく離れたおばさんがレビュー。『ちいちゃん』はいわゆる少し先天的に足りない、と思われる中学生女子。ちいちゃんの精神年齢は、また学習能力は小学生の低学年クラス。ただ、周りの仲間には恵まれてわきあいあい…‥‥‥と、普通ならここでちいちゃんの日常をほのぼの描き、ちいちゃんの成長物語に留まるところ。ただ、作者の方はここで我々読者から見える視点を、レンズの角度を変えるように違うものにしていきます。バイキャラクターだと思っていた、最初は面倒見のいいポジの、ちいちゃんの幼なじみ『ナツ』。彼女に焦点が合ったとき、物語は気づけばダークサイドヘ突入。後半グルグルグル展開するナツのモノローグは厨二的なネガティブさ、そして5センチほどついた心の傷をさも致死傷みたいに語る被害妄想。大人になり鈍感さという生きていく術を身につけた今なら笑えるけれど、いままさにその渦中にいたとしたら、ひりひりと心が痛くなるはず。わたしもモテたい、ちやほやされたい、身分不相応だけど!と確かに思っていた。あくまで他人にそう思われたい、そう他人から見える自分が好き、だったからなんだろうけども。藤岡さんなる、ヤンキー?だけど、達観したキャラクターの語ることが、本当に全て。『ちょっと足りなくたって どうだって楽しんで 生きていけるだろ』全ての『満ち足りない女の子』を引きずる大人女子必読の、ダークだけど、きっと救いがあるはずの漫画。
内容紹介の「いつも何か物足りない気がする中2女子」っていう表現に騙された。足りないのは別の意味?だとしたらこのタイトルやちーちゃんの表現には悪意を感じる。私はこの作品は好きじゃない。読みながら終始イライラしました。
タイトルの「足りない」の意味はもちろん「あたま」ですが、それにひっかけて実はこの漫画の主題はいつも何か足りないと感じてる思春期の心です。何の気なしに読みましたが、絵の可愛らしさとは対照的に非常にエグい内容です。体も頭も発達が遅れているチイちゃんを取り巻く周囲の大人になりかけの子供達の葛藤が描かれてます。本当の主人公はナツですね。救いのない感じで終わってますが、これ以上は書きようが無いでしょうね…。長い長い人生の中、いずれナツは気がつくかもしれないし、気がつかないかもしれない。ああ、でもナツの絶望感。思春期特有だと思うんだけど、そこから抜け出せないまま成人してしまう人もいるんだろうなあ。望みが叶わない、欲しいものが手に入らない点では、藤岡もナツも同じ。でも、藤岡とナツの違いはなんだろうな〜?と考えてしまいました。
まず、他のサイトに掲載されている広告や、内容紹介に惹かれて読んだ人は騙されたと思うでしょう。この漫画は、よくある中高生の女の子たちが繰り広げるほのぼの日常系漫画ではありません。ある事件をきっかけに成長していく人間と、成長できずに周りにも自分と同じレベルでいてもらいたいと願う人間。でもナツが間違っているというわけではなくて、誰にでも感じる可能性のある感情なんだろうな。読んでる間はイライラしっぱなしだし、何一つスッキリすることなく終わるので読了感は最悪です。ただ考えさせられることも多く、たくさんの人に読んでもらいたい作品だなと思いました。
作品の内容が深くて話の流れ方に思わずおおっ!と感嘆しました。ナツちゃんを見てると自分の思春期時代を思い出して最後の方はホロッときてとても良かったです。ただ広告や表紙の雰囲気から想像した内容とは180度違ったので作者さんの仕掛けた罠にまんまとはまった気がして少し悔しいです(笑)よつばと!や日常などを想像してるひとは気をつけた方が良いです。
足りないものには気づくのに持っているものには気づかないそんなことを気がつかせてくれる作品でした。不快だし深い作品でした。
ひどい!これは痛い。心臓が壊れる。大人になったからこそ俯瞰して登場人物みんなの気持ちが分かるけれど、十代の学生の頃は、多かれ少なかれ誰しもがナツのように思うことがあったんじゃないだろうか。この物語が不快に感じる人は、恵まれた幸せな子供時代を過ごしたんだと思う。環境や人運や悪いことを悪いと言える心の強さ。全ての人が等しく正しく持てる訳ではない。ましてや未熟な十代が。ナツやちーちゃんのようないわゆる「恵まれていない」と思っている子みんなが不幸を感じている訳じゃない。藤岡さんのように、自分を強く保って、きちんと努力出来ている子も、もちろんたくさん居るだろう。それでもナツに言いたい。焦らなくてもそのままでもいいんだと。そのまま妬んで僻んで苦しくてもがいて卑下しているままでいい。そのうち嫌でも子供は変わる。ずっと今のままではないから。良い方へも、悪い方へも。これは思春期のある一時期のことを切り取った物語なので、終わり方はスッキリしないけど、またみんな楽しく過ごせるようになると信じたい。
旭の離れて行き方がリアル....学生ながらの狭い世界と価値観によるカースト、きっと本当は存在しないのに自分を確立させるために自分から見た一方面だけで勝手にカテゴライズした結果堕ちていくナツがリアルで読んでて辛かった...きっとこの本の主人公はナツで、「ちーちゃんは足りてない」っていうのはナツから見たちーちゃんへの評価で自分より下を作ることで自分の優位性を保ってたんだな...感想が言語化しづらいけど面白かったです
ラストの絵と名前の掛け合いにゾッとしました。《ちーちゃんは》ずっとナツに「ちーちゃん」と、呼びかけられ続けていて、疑問があるのに一向に聞こうとしない《考えない》ちーちゃん。《ナツ》はちーちゃんに「ナツー?」とずっと声をかけられ続けるダケの事に、意思の疎通がないと言う疑念が出てくるはずなのに知ろうとしない。欲しい言葉をもらえないのに考えることを辞めて《自己完結》して逃避してしまったナツ。《旭》は正義感と言う意志が強く周りから嫌われていたが、偶然にも盗難事件がきっかけで意思疎通ができる人と巡り合い物語性が生まれ心置きなく、ちーちゃんとナツとはなれる事になる。《友達を作る》事に成功した旭。ちーちゃんとナツの2人の間では意思疎通の無さに身震いしました。ラストは考える事をしない2人。妥協して諦めてどんどん醜く堕ちていくナツ、ピュアで真っ白すぎるちーちゃんが歩く事で、闇と光が交錯せず同じ色のままなのが気持ちが悪くbad endに近いものがあると感じました。2人を通して人間の欲望の渦を見た気がして怖かった。大切なのは2人には決して無い、旭達にある目的と信念、学び、考え、思念、行動、をフルに出せる人で無ければ人は生きているとは言えないのでは無いだろうかと気付かせてくれる。直観で動く怖さをしれてよかった。余談ですが、私は個人的にこういう鬱っぽいのは避けていたがYouTubeの口コミで試しに読んでみて気分は悪くなったのですが、伝わる事が多すぎていい意味で辛い作品でした。
深い話です。ちーちゃんにより周りの友達の心の奥が見えてきます
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10代の過剰なまでの感傷から遠ーーく離れたおばさんがレビュー。『ちいちゃん』はいわゆる少し先天的に足りない、と思われる中学生女子。ちいちゃんの精神年齢は、また学習能力は小学生の低学年クラス。ただ、周りの仲間には恵まれてわきあいあい…‥‥‥と、普通ならここでちいちゃんの日常をほのぼの描き、ちいちゃんの成長物語に留まるところ。ただ、作者の方はここで我々読者から見える視点を、レンズの角度を変えるように違うものにしていきます。バイキャラクターだと思っていた、最初は面倒見のいいポジの、ちいちゃんの幼なじみ『ナツ』。彼女に焦点が合ったとき、物語は気づけばダークサイドヘ突入。後半グルグルグル展開するナツのモノローグは厨二的なネガティブさ、そして5センチほどついた心の傷をさも致死傷みたいに語る被害妄想。大人になり鈍感さという生きていく術を身につけた今なら笑えるけれど、いままさにその渦中にいたとしたら、ひりひりと心が痛くなるはず。わたしもモテたい、ちやほやされたい、身分不相応だけど!と確かに思っていた。あくまで他人にそう思われたい、そう他人から見える自分が好き、だったからなんだろうけども。藤岡さんなる、ヤンキー?だけど、達観したキャラクターの語ることが、本当に全て。『ちょっと足りなくたって どうだって楽しんで 生きていけるだろ』全ての『満ち足りない女の子』を引きずる大人女子必読の、ダークだけど、きっと救いがあるはずの漫画。