レビュー一覧

良い感じにシリアスと不条理ギャグが混在したSHOOWAさんらしい作品集です。ご本人が「闇鍋」と評していらっしゃったそうですがまさにそんな感じ… シリアス>ギャグ>シリアス>ギャグ…のSHOOWAループ、何を読んでもこの作者さん独自の世界観とセンスが溢れているのは流石ですね。表題作+一番最後におさめられている「逃げ水」(普通は続けて載せるだろうに、この編集もニクい！シリアスとギャグが互いを引き立ててる感じです) は、ある男の一生を描いた物語ですが、異人の血が混じった清人を軸にいろいろな形の愛が交錯してゆきます。幼い頃から慕い続けたった一度だけ身体を重ねた初恋の先生、捨て子の清人に父親としての深い愛情を注いでくれた養父、共に医師を目指していた同級生との恋、自分を支え続けてくれた女中との穏やかな愛、そして天涯孤独で育った清人にとって唯一血の結びつきを持つ我が子への深い愛情… 冒頭の独白「私の愛を語ろうか」の言葉どおり、時代を経て様々な愛が形を変えながら語られていきます。切なく物哀しいストーリーでありながら読後に幸福感を感じてしまうのは、最期の清人に穏やかな笑みを見ることが出来たからでしょうか。

７チケ、高いと思ったけど、サンプルを見て、しっとりと読ませ、感動で泣けそうだと期待して購入しました。が、表題作はとてもよくてじーんとしているところに、45Pから急にギャグ調の「ホモ連戦隊守るんジャー」というのになって以下全部そういうので続きます。心は表題作でしっとりとしているので頭がついていけなくて頑張って読もうとしたけどだめでした。ギャグ調でも、わかりやすければ何でも受け入れられるけども、なぜかどうしてもわかりづらくて駄目でした。がっかりしました。タイトルの絵も、紹介文にも、ギャグで面白いとか一言も書いてないし、はっきりいって、だまされた感がはんぱないです。チケかえしてほしいです。

なんといえばいいのか…SHOOWAさんの描く世界は胸をうつ。シリアスなSHOOWAさんの間に、ぶっ飛んだ方のSHOOWAワールドがあったり、どっちに振れてもこの人すごいなぁと思ってしまう。ぶっ飛んだ方は、ほんとにいろいろぶっ飛んでるが…。特に『月影』・『逃げ水』は本当に秀逸で単純にＢＬのくくりで読者を制限するのがもったいない。胸をえぐられるような、祈るような気持ちで読んだ一冊だった。

７チケットで高いと思いながらも、サンプルが良かったので借りたのですが・・・。一番がっかりだったのがサンプルの漫画のページ数が少なかったこと。他の話が、かなり私の好みから外れていたため★２にしました。シリアスなのとコメディとあるのですが、エロはそれなりにあるものの読み終わった後の残念感がどうしても残ってしまいます。48時間が欲しかった・・・

ファンの方にはオススメします。SHOOWA節炸裂です。振り幅の広いSHOOWAさんの両端が読める一冊で2度美味しいお話です。表題作は本当に心打たれます。コメディーもいいですが、私はSHOOWAさんのシリアスが好きです。これはこれでハッピーエンドなんだと思います。愛して愛されて思いが通じて、別の形で愛しむ人が出来てと、漫画のように劇的でロマンチックではなくとも、誰もが通るであろう道。表題作は全体的に沈んだ気分になる方もいらっしゃるのでしょうが、それはそれでやっぱり胸を打たれるお話だからなのだなと思います。とびぬけてふざけたエロも、後を引くシリアスもどちらも魅力的な作家さんです！！

脳が痺れた。哀しい、嬉しい、恋しい。純粋に想いあっていて傍にいたのに遠くて、やっと触れられたのに離れていく。そんなお話。切ないけれどその純粋さに羨ましくも思う。短編だけどすごく記憶に残る作品でした。良作ですし登場人物の先生が好みだったので迷いなく☆５つです。しかし悲しいかな、この作品は短編集で全部で５作品から構成されています。２作品目はおバカで節操なしなギャグ短編。ちょっと性的に節操のない感じで、いつもよりギャグが走りすぎていて１作品目の余韻が台無しになってしまった為☆２つ。３作品目はヤクザの内部で起こるちょっと歪な恋愛事情（優しいヤクザ×妖艶高校生）☆３つ。４作品目は運び屋のお話で、刑事が間抜けすぎて☆-１（見た目は男前だっただけに残念だよ刑事さん…）主人公の運び屋とその相棒の空気感は大好きだったので☆４つ。そして最後に、表題作である清人の一生を描き綴った短編があり、こちらは綺麗で切なく、それでも幸せになってくれた清人さんに☆５つでした。正直ギャグ短編が入っていなければ☆５つだったのですが…どうしても２作品目がマイナス点となってしまいました。でも表題作を押したいので評価は甘めの☆４つ。清人さんのお話だけでチケット３枚だったら問答無用の☆５つでした。

最初と最後の話がつながっています。間にコメディぽいのが入ってます。が、最初と最後の話が記憶に残りすぎて忘れてしまいました。ハピエンではないです。ただただ切ないお話になっていますので、読後落ちます(´Д｀)最後の戦争まで話が進んだのは驚きました。作者の意欲を感じましたが、最初の話の方がはんなりと切なくて好きかな。それにしても、落ちますので、好みはわかれそうです。

レビューを見てギャグが酷評されてたのでそちらには期待せずメイン二作品目当てで読みました。「月影」について、ストーリーは時代物？にはありがちなので特別何も感じなかったですが絵がしっかりしてるので雰囲気は非常に良かったです。ただその後のお話である「逃げ水」については不必要に感じました。救いとして必要なのかも知れませんが悲恋で終わってた方が切なさが増して良かったかなと。「逃げ水」まで読むとただ一人の男の一生をダイジェストで見ただけのように思えて「月影」が霞んでしまう気がします。ギャグの間の「罪隠し」についてはハードでずっしり重い内容なので短編で終わるにはもったいないと思いました。こちらの方が続きが気になります。ギャグ二作品については普通につまらなかったです。何の感想も思い付かないぐらいどうでもいいお話でした。総合で考えると7チケは高過ぎです。そもそも無期限じゃなくていいです。

切なさもバカバカしさも含めて、ほんとにSHOOWAさんって唯一無二のBL作家さんだと思います。この作品を読んでますますそう思いました。紙と同時配信は嬉しいけど、カバー下漫画も載せてください(泣)

SHOOWAさんは本当にいい漫画を描きますね。エロばっかりのものでもこの作者が描くとユーモアがあり飽きず、シリアスものは胸が苦しくなるぐらい引き込まれます。今回もバラエティーに富んだ短編集で、何度も読み返すことになりそうです。