レビュー一覧

この二つはストーリーがつながっている。ちょっとしたミステリ構成となっており、その鍵は女が握っている・・・。

時代小説が好きなので、たのしくよめました。

吉川英治の得意分野の一つ、時代物通俗小説である。武将などの実在の人物を描いた作品よりも筆が弾んでいて、こちらの分野の作品のほうが面白いものが多い。前編の「八寒道中」の方はなかなか救いのない話であるが、後編の「野槌の百」の方は人情物としてまあまあ読める。吉川英治の特徴である母親の愛情もしっかりと描かれている。