レビュー一覧

よくあるお話しです。子供の頃からずっと好きだった兄的な存在、一度振られても諦めず、やっと思いが叶う。BLに限らず、恋愛ものでは王道設定です。よくある話だからといって陳腐ではなく、受けの国巳の成長がじっくり読めて楽しかったです。最初はひたすら幼く振られてスネてしまうような子供だったのが、相手の気持ちも思いやれるようになって、でもまだ子供だから一途で。攻めの諒一郎は、最後までおとなであろうと頑張るけれど、この一途さに負けてしまう。けれども、大人として覚悟を決めて。まぁ、そのあたりもよくある話だと言えば、それまでですが。でも、一番いいのは、国巳の親友の健史です。この子のいうことが、いちいち当を得ていて、ポイント高いです。諒一郎の元カレも、なかなかいい味出してます。王道ストーリーですから、ハラハラドキドキはないですが、その分安心して読めますし、丁寧に描かれているので読み応えはあります。そんなに残るものはないので、-1してますけど、いい意味であっさり味でまた読み返すと思います。

恋愛対象にしてもらえない受けのもどかしさや焦燥感など切なくて良かったです。受けの片思い描写や、受けの方が攻めを好きになる話が好みの方にはおすすめ。父子のような関係性から発展する年の差カプが好みの方にも良いかもしれません(くっつくまでが焦ったいですが)攻めが煮え切らない態度なので人によってはちょっとイライラするかも