レビュー一覧

皆様も仰る通り、「愛された不思議」ですね。ヒーローと元モデルの腹黒秘書は義理の兄妹とはいえ秘書の夫だったヒーロー弟は物語が始まる４年前に亡くなっているのですから、今は単なる雇用主と雇われの関係でしょ？　それなのにヒーロー秘書は私から見ればヒーローの妻の座と莫大な財産を狙ってるとしか思えないし（ヒーローのカントリーハウスであるロワール地方の古城で開かれたパーティーでもヒーローに色目を使ってますし）、ヒーローの目が届かないところでヒロイン（初対面から「『貴族の娘』とは名ばかりの貧乏な田舎者」と見下しています）に執拗な嫌がらせを繰り返しているのに、秘書を未だに義妹＆友人として扱うヒーローは「妻の被害妄想」と全く取り合ってませんよね？　クライマックスでヒーローに「嘘をついた事を後悔している」と言ったようですが、ヒロインは「また秘書が嘘をついている」と思ったはず。ヒーローにしても実は不仲＆仮面夫婦だった先妻（ヒーロー秘書曰く「モデルとして頂点を極め、女優としても人気が出始めていた」美女でした）の肖像画をどうして居城のいい場所に飾っておくのか理解できません。ヒロインにしてみれば「新婚早々に自分をほったらかしにして秘書と『出張』名目の旅行に行ってしまう」だけでも腹立たしいのに、「自宅にいても何時間も書斎に閉じ籠る」事を繰り返す上に妊娠を素直に喜んでくれず、ヒロイン母も「いい年して夫の不倫を見て見ぬふりができない馬鹿娘」と取り合ってくれなかったのですから、家出は当然でしょ？　たとえヒーローの元に戻っても腹黒秘書＆秘書を盲信するヒーローのせいで難産になった可能性だってあるのに、「自分の元にいれば最高の産婦人科医をつける事ができたのに」と発言しますが、そんな問題ではないですよ。何しろヒロイン＆息子の居場所を突き止めるためにヒロイン弁護士の秘書を豪華なディナーで買収して守秘義務違反をさせているのですから。最後に私の疑問ですが、弁護士秘書が解雇されても、謝礼として再就職の口利きを保証したのでしょうか？

題名通り、愛されたのが不思議なお話でした。好きなのに信頼されない関係って、不毛のような気がします。ここでも切れ者のヒーローが、亡き弟の嫁に騙されて……意地悪な脇役女性って、どの作品でも凄腕です。最後にヒーローの愛の告白がなかったら、ヒーローをバットで猛打してしまいそうでした。言葉足らずはいけません！　ヒロインを大切にしましょう！　もちろん子供たちもね。

育った環境から、自分に自信が持てないでいるヒロインと前の結婚でトラウマを抱えているヒーロー。お互いに素直な気持ちを伝え合わない上にヒーローの秘書（義理の妹）の悪意も重なって、ヒロインは（ヒーローに）愛されていないと思い込むし、ヒーローはヒーローで、大切に思うからこそ、束縛しようとします。肝心な気持ちを伝えないから言い合いが平行線のままなのだけれど、平行線なりに少しずつ相手を理解していきます。ヒーローがヒロインを理解する場面が特に印象的でした。ただ、どうしてもヒーローの秘書（義理の妹）への信頼が強いのが・・・、マイナスです。

四姉妹の末っ子として男子を切望されて生まれ両親からの愛に恵まれず自身には魅力が無いと感じているエミリーにとって、魅力的な夫リュックに連れ戻された後もリュックは自分を便利な欲求の捌け口としか思っていないとしか考えられず苦悩します。エミリーに不安や危害を与えまいと話すことが無かったリュックの過去や態度の理由が明かになり、二人が信頼を取り戻すシーンはとても幸せな気持ちになりました！