レビュー一覧

これまた古いマンガが・・・　こちらは前回の特集と違い、歴史的資料としての価値しかないものと思う。

随分と昔に読んだ記憶があります。誰の物語か忘れましたが、今回はカール・ゴッチの載っているＮo５を読みました。一気に読んでしまい、とても興味深かったです。

タイガーマスク、ハンセン、ブッチャーなど、往年の人気プロレスラー達の物語。フィクションだと割り切って楽しむのが正しい読み方だが、微妙に本当の話も混じっており、そのためそれ以外のトンデモエピソードも本当っぽく思わせてしまうバランスがうまい。読んでいる当時は子供だし、なにしろ「アントニオ猪木(談)」がところどころにあるのが効いている。今なら、「猪木ねえ・・」と流せるくらいには大人になったが、子供の頃は「猪木が言ってるんだから本当かも」と思ったりしたものだ。プロレス人気がいかに高かったか、を偲ばせる作品だ。

小学生の頃リアルタイムで読み、熱狂しました。当時のサンデー連載作品で一番のお気に入りでした。勿論今となっては突っ込み処満載の梶原一騎御大の創作ワ―ルドと理解しているつもりですが、まだ小学生の自分は本当の事なんだ！と信じきっていました（苦笑）。何せアントニオ猪木・談のコメントの説得力ときたら。正に問答無用な訳です。しかし神田伯山のこれが本当の真日本プロレスに原田先生がゲスト出演された時、あのアントニオ猪木・談は猪木氏が実際に発したコメントではなく、梶原御大の創作だったと思うと述懐されたのを見て、大いに納得した次第です。個人的にはキラ―・コワルスキ―が必殺技のニ―ドロップで対戦相手の耳を削ぎ落としてしまい、その対戦相手はショックのあまり自殺。コワルスキ―はそのトラウマから肉類が一切食べられなくなったという創作エピソ―ドが傑作でした。実際はコワルスキ―自身が体の健康の為にベジタリアンだったのであり、あの事件は全く関係ないそうです（対戦相手のユ―コン・エリック選手はあれは事故だったのだから気にするなと慰め、遺恨などはなかった模様です。彼が自殺した理由は家庭内の問題だったようです）。後にコワルスキ―選手がこのエピソ―ドを知った時、彼は怒るのではなく大爆笑し、゛それは傑作だ。で、誰がそんな話を思い付いたんだい？゛と訊ねたそうです。

昭和時代いわゆる８０年代のプロレス好きチルドレンのバイブルです！自分もこの作品にハマった一人です。今となっては梶原先生の創作ワールドであったとWikipediaを読めば書いてありますが、中学生のプロレスファンだった自分を虜にして呉た最高のプロレス最高の漫画作品をじっくりと読んでいこうと思います