レビュー一覧

個人的に絵が全く好みじゃなくて、サンプルでも読み取れるようにガチ暴力から始まるので（前から好きだったなんてオチじゃないですよ、単なるサンドバック代わりですよ。ダメな人は注意！）、愛の無いドＳはなぁ…と借りるの悩みましたが、結果的に★５。借りて大正解！面白かったです。お互いにスキスキ言うような甘い関係ではないけれど、態度の端々で見え隠れする特別な人への感情っていうのかな（なんか上手く言えないんですけど）、それが読み進めるうちに徐々に増えてくるんですよね。特にドＳヤンキーの気持ちと、それに伴う受けに対する態度の変化がたまらん。Ｈシーンもそういうスパイスのせいか、やたらエロく見えたし。久々に「終わらないでぇぇぇ」と思ってしまいました。この二人のべったべたに甘い話が見たい…。べったべたに甘いエロシーンが見たい（本音）。

この話は、ある意味SMの本質をついているなぁと思います。形だけ、言葉とか態度だけのなんちゃってSMではなく、矯正しようのない性癖としてのSMというのか…。M気質の人間が、無自覚のままいかにして好きな相手を精神的に支配していくかが丁寧に描かれてます。クシロはただキレやすいだけで、暴力的衝動と性的欲求が結びついている人間ではないのに、「キレやすいだめな自分」をそのままの形で受け入れてくれるミサキにだんだん依存していく。結局ミサキが喜ぶので、激しくしたりする。暴力をふるうから好かれてるんじゃないかと不安になったりもする。結果プレイに落ち着く。二人の間だけに成立する濃厚な世界を、少年誌的絵柄と雰囲気・ノリで描かれた作者さんのバランス感はすごい。かなり微妙な心情を女々しさゼロで描いています。本当に面白いです。

もう5回くらい読み返しました。絵が独特なので（あまり見ない感じの？）最後まで読めるかなーと思いましたが何度も読むうちに逆にキャラクターが魅力的になっていきます。最初の暴力シーンが苦手だったのですが、これも何度も読んでいくうちに暴力シーンあってこその後半！の良さが更に引き立つことに気づきもうとにかく楽しんで読んでいます。自分の気に入らないものは力でねじ伏せる釧路と最悪の出会いをしてしまった三崎。普通だったら「最悪」から「終わり」へ行くところなのに「最悪」から「最高」へ、徐々に×２すすんでゆく二人のやり取り、圧巻です。この「徐々」感が、とにかくじわじわとキます。この「徐々」感を感じるためには、読み返すしかない。だからこの本は何度読み返しても飽きがこなのかなーと思います。他の作品に比べ、物語に出てくる人物すべて考え方がかなり男らしいので（くよくよしないところや、考えても仕方ないとすぐに切り替えれるところ）他の作品に比べてあっさりしてそうですが、実はそうでもないんです。あっさりしている中に、本当に細かい心の描写が互い（特に釧路）の行動や言動に現れていて、とにかく読めば読むほど味が出る、素晴らしい作品です。この先生の次回作、楽しみすぎます。

BLなのですがBLらしくなく。何だかとんでもない物を読んでしまった！というのが最初の印象でした。まさか好き過ぎてレビュー書けなくなるなんて！(やっと落ち着いた)。世間の賛否はバカーっと真っ二つに分かれそうですが、私は『大賛成』に旗を掲げます。ハルの持つ暴力性、破壊性。その全てをミサキさんの救いの女神の如きドMという巨大な器で全肯定された時、ハルの心の中に『ふと芽生えたもの』の純度の高さが強烈で読んでてクラクラしました。名前を聞く、食事をする、隣にいる、撫でてもらう、果物剥いてもらう、など些細なことでハルの中に育つLOVEを感じました。また、一見地味で常識人のミサキさんが、自身の性癖を『普通じゃない』と知りながらも、暴力的なハルを受け入れ、遂には『愛ゆえの暴力を請う自分』を肯定するまでの道のりも好きでした。普通じゃないけれど、何だかずっとそっと寄り添って貰いたい2人です。最近、続きが出たそうで。ますます楽しみな作品です。もし、出来ることならハルの家族に「息子さん、彼のお陰で良い感じになりましたよ～」と見せてやりたい(笑)

私には気持ち悪かったです。なんていうか受は変態で済むかもだけど、攻は精神異常一歩手前の連続傷害暴行犯にしか感じられず。そういう攻と本当に単なる暴力にときめく？受にドン引きしてしまい最後まで読めませんでした。SMも鬼畜もエログロもヤンデレも好きなので大丈夫だろうと思っていたので我ながら意外ですが、愛や悩みのない理不尽な暴力的関係や、容易な暴力表現が苦手な方は、地雷かもしれませんので避けた方が無難です。

なにこれ。びっくりした。サンプルで全く興味もてなかったのに、買った自分を褒めてやりたい（笑こんな切り口のBL初めて読みました。「暴力やだなー（怯」から「二人とも幸せになぁれ（喜」と、自分の感情の振れ幅が大きすぎて更にビックリ。何度も何度も、なーん度も読み返してます。私は大好きですが、好き嫌いが分かれる作品かもしれませんね。うまく言葉にできませんが、お互い思いあってるのがじわじわ伝わってきて、ラブラブなシーンは皆無だけどすごく幸せな気持ちにしてもらえました。ふたりのバイト仲間・友達なんかもキャラが立ってて好きです。この作家さんの他の作品も読んでみたいです。

結構BL読みながら全くレビューしないのについ書いてしまった…。レビュー良かったから期待して買ったけど、個人的に全然きゅんきゅん来なかった…。何かSはSでも、好きで好きでいじめたい♪って感じではないので、(基本暴力なので…)エッチも焦らしていじめる的じゃなく、無理やり痛くする感じなので、そういうのが嫌な人には向かないと思います。何か他の作品に5チケ使えばよかった。・゜゜(ノД`)

まさか3巻が出るとは！4年ぶりだそうです。素晴らしい～！それにしても1巻とはまるで違う二人の関係性ですね。1巻はあんなにハラハラしたのに、今やイチャイチャラブラブがすごい。ハルがドＳでよかった。三崎がドＭでよかった。暴力がダメで読めなかった方も、3巻だけなら大丈夫かも。甘ーいので。3巻はかなりエロ方面充実してますが、ちゃんと流れがあるから面白いです。ちょっとハルがかっこよすぎてたまんない。かなり貴重なポリネシアンセックスの登場には驚きました。なんかもう永遠に見ていられる。続きも描こうと思えばいくらでも描ける感じに終わってます。

表紙がこれだからSM物に見られがちだけど、Mで勝手なのは受けの子だけで攻めの子はSでもなんでもないような。暴力から始まった関係を再構築していきたいけど道筋が分からなくて、変わっていく自分にも戸惑いながら三崎さんにずぶずぶ嵌まっていく釧路くんがとっても可愛い。三崎さんの「普通の男の子」っぷりが素晴らしい、ホモで(ひょっとしたらそうじゃないのかも)ドMで危ない自分を自覚しながらも、そこから一歩抜けると全く普通の生活、その対比も美しかったです。徐々にヒエラルキーが変化していく二人は、とても自然なカップルの成り行きに思えます。繊細な心理描写が見所の作家さん、別の本も読んでみたいです。

大当たりでした～！暴力シーンはありますが、受けは筋金入りの天然Mっ子なので結局年下ヤンキー君が振り回されてる感じですね。むしろツンデレてる攻めが本当可愛いです！受けのことも「さん」付け呼びだし、所どころ敬語だし、どっちが尻に敷かれてるの・・・と心の中でツッコミたくなります。攻めくんは忠犬の素質があるので続編があれば即買いなのになー！！！（本当に続編が読みたい・・・！！！）ともあれ今後注目したい作家さんです。