レビュー一覧

西田さんの長編！しかも、不覚にも何度も泣けてしまった。Hを期待して読む人にはおすすめしませんが、この作者さんの、脚本家がマンガを描いたような人間味溢れる物語が好きな人なら、間違いないでしょう。出来れば続編を読んでみたいですねー。ぜひ！

良かったです。どちらかというとほのぼのタッチの画がすごく効果的だし好みのタイプでした。こういう繊細な心理描写する人ならきっと素敵な作品を描いてるだろうと、他の作品も大人買いしましたが、短編集よりやっぱりこれ位は分量あるといいです。やや終わり方が物足りないと思いましたが、他のより描いてある方なのかな？そういう作風なんでしょう。。。ほとんどの作品が、あと一話、いや数ページ描いて欲しい！という感じで終わります。そしてあとがきが病みつきに。

西田東（ヒガシ）さんの作品はどれを読んでも大好き。その中でもこの作品はベスト3に入るものです。絵の好みが合わないというのはあると思いますが、それだけで読まないのは勿体無い作家さんだと思います。私も初めて西田さんの作品を読んだ時はあまりBLっぼくないなと思ったんですが、ふとした瞬間に出てくるせつない顔とか嬉しそうな顔とかがまっすぐ伝わってきて、凄いと思ったのが第一印象。とにかく他のBL作品とは違って、なんといいますか西田さんにしかない味があるのです。話と設定がしっかりしてて、登場人物が背伸びしてないんですよね、偉そうですけど。だから登場人物のまっすぐな気持ちの積み重ねで話進んでいくから読んでてこっちも気持ちがいいし、痛い程せつなさが伝わってきて泣けてくる。逆にBLっぽくない絵（可愛い男の子や綺麗かっこいい人が出てこない）だからこそせつないシーンもベッドシーンも男を感じるのかな？と。だからこその辛さやせつなさやエロさ？があるんじゃないかといつも思います。今回は医師と不倫相手の院長の息子の話。自分の父親の不倫相手だから憎くてしょうがないはずなのに、不倫だったからこその、男同士だったからこその辛さや孤独さが解って、せつなくて、悲しくて、支えたくてというお話。駅のホームでブサイクな顔して泣きながら電車を追っかけてくる所、笑えながら泣ける。院長の事を想って抜け殻のように夜中にテレビを見てる医師の後ろ姿、胸が痛くて泣けてくる。そして最後、最後の力を振り絞って手を伸ばして手を掴まれる所、全然少女漫画のような感動の綺麗なシーンでもなんでもない。でももっていき方？タイミング？が上手いんですよね。しっかりと作品の最高潮の山場にもってきて、感動するし泣けるし読み返す度にいいなーと思います。その他にもたくさん好きなシーンがあるんですけど、とにかく泣けます。私は大好きな作品です。

作者買い。もうこの作者さんのレビューはつらいです。どれも良すぎて。院長と誰にも言えない関係を続け、喜びも悲しみも苦しみも一人ひっそりと消化してきた中道。院長に先立たれたあとの虚しさはこれでもかと心抉ります。そして堤が花を撒く名シーン。また一人で戦っている中道に堤のかけた言葉はもう神！これが中道の心を解放するんですね。こういうストーリーを描ける方なんてそうそういません。ほんと、読まないと損。と、また言います。

このお話本当に良いんです。読んでいない方にはぜひ読んでもらいたい。割と初期の作品で絵がよりアッサリめだけれど、メガネの先生も息子の堤も読めば読むほど可愛くなってくるので心配要りません。主人公の先生は大切な人を失って、あまりに悲しくて泣くに泣けないんですが、こういう苦しさに押し潰されるような描写が秀逸。1人だけで悲しみを消化させようとする先生に、息子の堤がお花を降らせるところはもう大好きで毎回泣きます。他にも好きなシーンがいっぱいあるし、ちょっと他の漫画では無いなってぐらい胸が打たれます。何年経っても何回読んでも心に響いてくる名作です。

泣きに…泣きました…！！作者様の作品の中でもこの切なさは三本の指に入るくらいじゃないでしょうか？？院長の愛人であった主人公の彼を思う気持ちがこれでもかってくらい切なく丁寧に描かれていて、本当に胸が苦しかった…。また、院長の息子が徐々に主人公に好意を抱き、やがてそれが恋になっていく様子も丁寧に描かれていて、人を思うこういう気持ちは、きっと誰にも共感してもらえるものだと思いました。もうこれは、BLというより大人の人間ドラマですね。しかし、こんな名作なのにレビューが少ないのが本当に不思議でなりません！！もし絵柄を見て読むのを躊躇っている方がいらっしゃいましたら、是非勇気を出して西田ワールドに飛び込んできてほしいと切に願います。

ほか作品同様に作者買いしました！ベテランドクターと新米ドクターの医者同士つかず離れず、恋愛色だけでないところも面白いです。新米の堤の医者としての成長や、普段はカンペキな中道の胸の内は色々な思いを感じるものがありました。物語のベースはシリアスなのに、時々入るスイートさ・・・まるで映画を見た後の気持ちになりました。

この昭和っぽい絵柄、凄く懐かしい感じが。。。コミカルな絵もあるけれど、所々泣かせてくれますね、こうなんと言いますか、心にズキンとくる切なさがあり、自然と涙がこぼれ落ちます、絵柄は最初正直好みではなかったのに、引き込まれてファンになってしまう不思議さ、ただくっついてエッチしてってだけの作品には無い奥深さがあります、読み手の自分は、それ程語れる人生経験なんて無いけれど、過去に通じるものがあって共感してしまうのかなと思いました、他の作品も読んで見たいです。

２００５年の作品。まだ全体に丸さが残る絵ですが、あまりシャープすぎない、フィーリングで描（いているような）絵のほうが衣服の中に実体を感じられて私は好きです。様々な登場人物のふとしたポーズがとても魅力的で、美があります。ストーリーテラーとしての西田先生の強力な後押しをしています。いつも西田先生の作品のバックグラウンドには美しい音楽が流れているように感じます。

重い。。けど、花びらを投げるシーンで号泣しました。。予想外の展開と、最後を読み手に委ねるような終わり方が西田先生の魅力かなと思います。