レビュー一覧

ちくしょー！またしても泣かされた！この人の作品はどうして半ばなのにこんなに泣かすんだろう。ラストで泣く作品は数あれど、先の展開も読めない内からこんなに泣かされては涙腺が保ちません。私はＢＬを官能小説とは思っていませんので、ストーリーのしっかりした作品に出会えると本当に嬉しいです。

まず気になった点を述べると、なぜか場面転換での段落分けがなく、文章の途中で突然視点が変わる感じになるので戸惑いました。視点や場面が変わるなら改行だけでなく一行あけて示してほしいです。結構読み辛いので改善してほしい…。でも内容はとても面白かったです。殺伐とした生き方をしていた隼人が、湊の真っ直ぐさにいつの間にか影響されていく様子や、湊の芯の強さが個人的にとてもツボでした。若干作り込みの甘さを感じる部分もありますが、身分違いの恋というグッとくるモチーフをうまく生かしていて、表現力のある作家さんだなと感じました。

今まで小説漫画問わず軽く500冊以上BLを読んできましたが、私にとってはこの作品が一番のBL小説です。読み倒し用に一冊、ボロボロになったのでもう一冊、永久保存版に一冊の計三冊+電子書籍で持っています。それくらい！面白いです。初めてこの作品を読んだのは高校生の頃でしたが、あれから数年経った今でも読み返すと泣いてしまいます。誰もが感じている現代社会においての生き辛さをそっけなく、さらりとすくって書いてくれる一穂先生の感性はさすがの一言につきます。BL小説というくくりを抜きにしても、間違いなく素晴らしい小説です。今後これ以上の作品に出会えるのかな？とさえ思ってしまいますが、一穂先生ならばまた素敵な作品を書いてくださると思います。

最初はファンタジーな感じの話かな？と思っていたのですが、そんな事はなく、現代でも多分田舎の方では有りそうなお話でした、若様と言われるあつむも、ちゃんと普通の礼儀正しい高校生、そして隼人は生い立ちからか、何に対しても興味なく、目的もなく生きている人、この二人がどんな風に心を通わせて行くのか、気になって読み進めるのが楽しかったです、隼人の言動がいちいち面白くて、私はなんだか好きだなぁ〜、こんなに雑な性格しているのに、あつむが自然と寄り添ってくる事を不思議と受け入れる、じわじわと二人が近づいて行くのがなんだか嬉しかった、大雑把で口の悪い隼人だけど、本当はいい奴だと言う事もあつむは感じていたんだろうか、二人がやっと結ばれた時は安堵しました、隼人の「ガン見だコノヤロー」に大受けしました（笑）この先も色々有りそうな気配がプンプンしますが、繋いだ手を離さず、ずっと仲良く過ごして欲しいなと思いました。

最初読んだときはあまり響かなかったんですよね。久しぶりに読んで泣きました。2人の引かれ合う様子が切なくて素敵です。

他の方も書いていましたが、ファンタジーなのかなと思い長らく敬遠していました。が、この度意を決して購入。もっと早く読んでいればと後悔……とっても良かったです。いつもながらの丁寧な心理描写にやっぱり感心しながら読んじゃいました。ただねえ、この二人、この先は苦難の道なんじゃないかなあ。ハッピーエンドだけど、勝手にその後を想像して落ち着かない気持ちになってしまいました。あとね、表紙のイラストがよろしくない。本文から想像する受けと表紙のイラストの受けが全くリンクしません。幼すぎやしませんか！？イラストだけだとショタくさくて本当に嫌です。

ああもう、すきなひとに言われる「バカ」ってなんでこんなにうれしいんでしょうね。誘う「バカ」も降参の「バカ」も悶絶級のあまさ。言われるのが「若さま」なら、それはそれは衝撃的な初体験だったのでしょう。隼人がいるから解放される湊と、湊がいるから留まれる隼人。正反対のふたりのゆくえは「めでたしめでたし」ばかりではないはず。なんとも気になるふたりです。

相変わらず人物描写含め文章力が素晴らしい！けど、個人的に切ない展開が長すぎたな〜と感じてしまったので星−1となりました。

もっとファンタジーなのかと思ってだけど違った。設定で名家で若様だからなのだと。切ない胸の内が２人にはあっていいなぁって引き込まれた作品でした。

お殿様なのに可愛くて一生懸命な野衣湊くんが良かったです。