レビュー一覧

最初から、引き込まれる作品でした。前半は、ある事件と絡ませての出会いひかれあいながらも‥‥自分のことを卑下するヒロインは、愛されるはずはない！と思い込み、前妻を不幸な出来事で亡くしたヒーローは愛する資格はないと思い込み‥‥事件の解決と共に‥‥お互いの生活に戻ります。その後の展開は、ハーレクイン的な内容になるんですが‥‥。一冊で二話分楽しめた気分です。そして、シャロン・サラ作品は‥‥やっぱり救いと癒しですね。そして、家族愛。ヒーローもヒロインもお互い癒し癒されたカンジ。

シャロンにはまりつつあります。ミステリーながら家族愛や癒し系でもあってとにかくぐいぐい引き込まれてしまいます。レビュー高いのも納得でした。「君の声が聞こえる」の妹編ですね。あちらも良かった。トニーとレインがこんな出会いだとは驚き。

シャロン・サラの大好きで、これも愛と癒しでした。「君の声が聞こえる」のヒーローの妹がヒロインで、時系列的にはこちらの方が先ですね。こちらはファンタジー要素はない現実的な話、どちらも心に傷をもっている人たちの癒しのお話でホロッときます。

ちょとハマりそうなシャロン・サラ。ミステリー要素とラブロマンスのバランスが、ちょうど良い作家さんです。お互いの気持ちをうまく相手に伝えることができない、不器用な主人公が微笑ましかったです（男兄弟が多いと妹はお姫様のように扱われると思っていましたが、ヒロインの場合は苦行だったようですね。女として自分の魅力に気づけない環境とは……兄ちゃん達を怨んでも良いくらいですよ⇒おかげで待った甲斐があったような男性とめぐり会えたのだから、終わり良ければ全て良しなのかな！？）　ヒーローの前妻とのエピソードは悲しいけれど、卑屈になり過ぎのような気もしました（日本人の赤ちゃんの出生時の体重（母体の体重管理もあって３０００グラム以下が多いと聞きます）の倍近いジャンボベイビーの誕生は、母親には負担がかかるのでしょうね）。

ヒロインは全部家族のせいにして勝手に自分の将来を妄想しているのがわからない。

1995年の作品ということで、作中キャラの価値観は流石に一昔前かな、という感じはあります。まあ、兄たち、特にジャスティンの暴言は当時の価値観からいっても酷いですが。話としては最初もっと引っ張るのかと思った逃亡犯の話は案外あっさり解決させてあれって思ったのですが、後半長々と続く両片想い展開がじれったいけどそこが良いんですよねえ。あと、背が高いことにコンプレックスを抱いているヒロインの相手役が大柄な身体の遺伝子を持っていることがトラウマの原因になっているヒーロー、という話の作りが面白かったです。確かに4500の赤ちゃんなんて母体の負担がとんでもないだろうなあ。ジャスティンにはムカついたけど、終盤のあれはちょっと気の毒。彼の子供も可哀想だったけど、ヒーローにとっては今まで呪いにしか感じていなかったであろう自分の大柄な体格(と馬鹿力)が人の命を救う役に立った話なので、このエピソードをクライマックスにもってきたのは上手いですね。また他の方たちも仰っていますが、次作『きみの声が聞こえる』のヒーロー、ワイアットが出番が少ないながら二人の仲を取り持つアシスト役で活躍しています。

強くてたくましいヒロインが魅力的。二人で助け合う姿がすてきです。