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レビュー一覧

総合評価
5点
5.0
(1)
5点 5 1
4点 4 0
3点 3 0
2点 2 0
1点 1 0

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2014-03-04
評価点
5
神楽さん
Renta!で購入済み
※このレビューにネタバレが含まれています。 レビューを見る
ちょっとした恋愛物の長編映画の様な、有る一家の女性三人の人生と恋を、母親の事故がキッカケで読むことになった日記に記された歴史と恋、生活や絆、苦悩や喜びをベースに、日記を読む女性達、特に、一家の長女のセイジと亡き長男の嫁のフェイについても描かれています。セイジは、何故だか父親に愛されずに母親の愛情も信じられず孤独感を抱いて生きてきました。今は著名な作家としてロンドンで暮らしているものの、父親亡き後ですら家族を拒絶し一年に一度以上会おうともせず、周りに壁を作り自分はこのまま人生をすごすのだろうと思い込んでいました。フェイは幼き頃からの家族からの仕打ちに心身共に傷付き、癒しの心を持つ長男によってやっと心穏やかな暮らしを始めた矢先事故で亡くなり、母親の助言で娘共々夫の生家で夫の家族として暮らしていました。娘のカミラは、まだ幼さの残るティーンエイジャーで、大学と友達と恋をしたいという十代そのままの女の子ですが、そんな女性達にも、母親の事故は大きな打撃でした。カミラはともかく、日記の内容によって変化してゆくセイジの気持ち。かつての孤独感から抜けられずにいることが親子の確執を余計にややこしくしていたこと、母親の献身や愛情など、日記を読むことで真実に触れ認識を新たにすることで変わってゆく女性達と、変わらずにはいられない物事の変化を丁寧によく描いています。そして、そこに恋のスパイスも上手く加わり、見事な家族の物語となっています。映画の様な場面切替も見事で、心苦しい場面も、悲しい場面も、そしてラスト、何故だか泣けてしまった場面でも、家族の愛情がこんなにも違う人生を歩むことになり得るのだと、改めて思わされた、そんなお話でした。