レビュー一覧

生々しい。ひたすらになんだろうかこの生々しさ、よくも悪くもえぐい感じ。年相応の裸体、できるできない…かいま見えるセンセイの男の部分…このえぐさが言葉にできない。センセイの心理描写はまるでないんですが、そんなの必要ないですね。もうちょい色っぽい感じは欲しかったかな。

谷口さんは大好きなので紙の本が出た時1巻目だけ購入しました。ここまではステキな飲み友みたいなセンセイとツキコさんの距離感が心地よかった。しかし2巻目からは男女の関係に加速していきそうな予感があって、購入を躊躇してました。今日、レンタ を見ると短期レンタルできることを知り、やっと最後まで読めました。やはり思った以上に生々しい。私はこのおじいちゃん先生が正直好きではないので、ツキコさんと結ばれてほしくなかった。なので手元に置かず、こうして短期レンタルで充分。1巻目だけ大切にしておこうと思う。

川上さんの原作本を随分前に読みました。絵になるとどうなるのだろうと興味本位でしたが、文章がそのまま使われていることが多く、世界観そのままに懐かしい気持ちになりながら読めました。気質が合う、とはこんなにも互いに温かい気持ちになり、引かれ合うのかもしれないと考えさせられました。

センセイの言葉遣いが、上品で何とも心地よいです。ツキコさんの、どこかとぼけた雰囲気も味わい深いものがあります。ラストの伏線がちょこちょこ挟まれてはいましたが、どうなるんだろう？と一気に読んでしまいました。この作者さんは元々はハードボイルドを描いていましたが、私は晩年のこうした作風の方が好きです。特に、原作の文章をそのまま活かす手法が新鮮で、元の雰囲気を損なわずに読めるのが嬉しいです。もっと色々読みたいのに、亡くなってしまったのが惜しまれます。

名作の漫画化は、特に本の方で読んだことがあるとどんなものだろうと漫画を読むのを少し躊躇してしまいますが、こちらは、世界が見事に表現されていて、静かだけど、心をぎゅっと掴まれるような気持ちになるところも一緒でした。なんでも、本の文章はできるだけそのまま使っているそうです。さすが谷口さん。

文学として文字で読めば味わい深いのかもしれないが、漫画になってしまうと、これといった面白みに欠ける

この著者の漫画は生々しく嫌悪感がある。リアルの醜さがあばかれる展開になるのだろう。

普通に考えたら年を取ってしかも年の離れた二人の関係は気持ち悪い という人もあるとは思う。二人の関係はどうであれその関係を丁寧に丁寧に描き出した作品である。文学作品としてはお手本になりそうな優良作だと思う。その原作の良さを損なわずにコミカライズしている。

やっぱりいいできでした。原作を多分原作以上に表現されていると思う。

漫画を読んでから原作を読みましたが、原作との乖離が少なく良い作品だと思いました。