レビュー一覧

大好きな『ジャック&エレナシリーズ』8作目（1992年初出）。『ミルキーウェイ』『天使たちの進化論』等の時代より200年程前、 ジャック・ナイジェルのみ登場。ヒューマノイドの彼がまだ人間だと思っていた頃に起こった出来事が関係してきます。... 当時の(今でも？)少女漫画で扱うには珍しい、カニバリズムがテーマになっています(でもあくまで少女漫画です)。... 基本、繊細で緻密なタッチで描写されますが、途中コミカルな頭身低い簡易キャラ表現が入ります。文庫版のデジタル化ですが、潰れた感じはありませんでした。デジタル版では拡大出来るのが嬉しいですね(どこまで耐えれるものかは確認していませんが)。 ... 他社他作者になりますが田村さんの『7seed』等が好きな人には面白く読めるかと思います。...『秘密 シリーズ』の抉るような現実感を伴う表現を期待すると、物足りなく感じる人も居るかもしれません。逆に秘密シリーズはちょっと入り込み辛い…という方にも読める作品だと思います。... 御自身が「自分の分岐点となる作品」と言っているので、作者や最近のシリーズのきっかけになる作品に興味がある方は是非にとお奨め致します。- 嫌、違いました。正確には、食人がテーマである事を覚悟して読める方に是非読んで頂きたい作品です。...丁寧に作られており、1993年に加筆し雑誌再掲載をされている事からも、作者のこの作品への思いと、完成度が伺えます。… 異文化の考え方をその文化の主観で捉える事が出来る人、そうした見方を試みたいと考えている人にもお奨めです。… 以上、原作の単行本と文庫本両方持ち読者レビューでした。

ジャックとエレナシリーズですが、これはエレナと出会う前のジャックのお話ですね。ジャックが自分がロボットであると知る前の話なのですごく切ないです。そして、命というものを考えさせられます。「世紀末に愛されて」は切ないんですが、美しい話です。複雑な登場人物の心境がすごくよかったです。「夢のつづき」も可愛い話です。ぶっ飛んだお嬢様の話です。清水先生の作品は話が壮大で、絵も綺麗でハリウッド映画作品のようです。話も登場人物も絵も綺麗で安心して話の中にのめり込めます。本でも持っていましたが、いつでも読めるようにこっちでも買ってしまいました。

全4話の短編集。表題作はロボットのジャックと、人食いの風習のある人種の女の子との切ない恋を描いてます。人食いにはちゃんと意味があって、グロじゃなくて愛があります。2話目は世紀末を前にしたカップルの話です。ヨシュアのミューズを想う気持ちが泣けます。3話目は超お金持ちのわがままお嬢様と献身的な執事の関係が素敵でした。4話目は恋敵を好きになってしまう女の子の話です。悲しい結末かと思ったらハッピーエンドでよかったです。全話、純愛でよかったです。

秘密が好きで、そこから清水先生作品を漁って読みました。どの作品もよいけど、ジャックシリーズではこの作品が一番よかった。少し暗いので苦手な人もいるのかも。

清水先生の昔の作品も多く、懐かしいです。哀しい愛の物語が多く切ない気持ちになります。

短編集でどの作品も上質な映画のように世界観に引き込まれます。この作者さんの作品は個人的には短編の方が傑作が多いと思います。映像化して欲しいけどこの作品世界を再現するのは難しそう。

作者買い。「ジャックとエレナシリーズ」の中で、今回の作品は食欲や食事をテーマにしたお話。ジャックは過去のトラウマから、ロボットなのに沸き起こる自分の食欲に苦む。一方、食事を神聖なものと考える種族の女の子を愛した。その子はジャックに自分（の手）を食べてもらえたと信じて死んでいった。ジャックはその少女を食べなかったことを後悔した。読後、とても切なくて涙がとまらない。

作家さん買いです。ジャックのエレナと会う前の話だったかな？自分のいのちをかけてパートナーに尽くすっていう、思いの強さが怖いくらいだった。単なる人肉を喰らうって話で無く、人間の心情の奥深さを描いていると思います。面白かったです。

三作品全部読み応えが有り、不思議な世界です。一作目の本人も自分は人間だと思い込んでいたロボットの作品は、人の命を死で終わらさないと言う内容に衝撃を受けました。二作目はファンタスティックかな？と思いきや、愛の作品です。三作目も全然違うジャンルですが、近い将来、いや、現実に何処かで起きていることかもと考えさせられる話でした。

エレナと出会う前のジャックの過去が分かる哀しい話し。死者の肉を食べる事で死者の魂は受け継がれるとされている種族では食べられずに死ぬことが一番の恐怖。兎に角泣けます！切なさを読みたかったら清水玲子！