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苦しいまでの切ないお話でした。かつて、姉と恋人に裏切られたと思い、流産し、それだけでも悲劇なのに、流産した子がお腹に残った為に子宮にバイキンが繁殖して、子宮までも失ってしまったヒロインの、過去と現在のお話でした。途中、別れても愛し続けた相手とアッサリ元サヤに収まるものの、ヒーローに真実を告げていないがゆえにケンカの絶えない二人をよく描いているとは思います。とは言え、素直じゃないヒロインにイライラとさせられ、真相に辿り着くのは最後なので、首を長くして待つことになりました。子供が出来ず、悲しい想いをしたことで、子供を、特に赤ちゃんを拒絶するところは、気持ちが分かるだけに苦しさも拒否反応も何もかもに同調してしまい、切ない想いが湧いたしただけに、ヒーローへの対処の仕方にますます苛立ちました。ただ、幾つかの偶然の不運も加わりはしたものの、ヒーローや子供達と共に前向きになろうとするヒロインに、その愛情と強さに、デリケートな題材に挑んだ作者とヒロインに脱帽しました。

読みごたえありました。過去の話でヒロインがひどい目に会わされており、それが原因でヒーローとも本音では語れません。途中は行き違う二人の気持ちにじれましたが、ラストはひたむきなヒーローと、芯は強いヒロインに優しい気持ちになれました。

ヒロインはとても重いものをヒーロー両親とお姉さんに背負わされてしまった。直接じゃないかもしれないけど許せませんね。離れていてもずっとヒロインを思い続けていた家庭的なヒーローが素敵でした。重かったけど良い終わり方でした。