レビュー一覧

評価が低いせいで広く読まれていないのかな？評価が低いのは夜光先生のいつもの作品に比べて、とても普通のお話なので、求めているものが違うせいなのかな？とてもおもしろかったです。お話も良かったし、やっぱりキャラが最高。一見頼りないのに、芯は強い主人公が素敵でした。

三味線ものと言うことで地味な物語なんだろうなと思っていましたが、びっくりする位よかったです。今までも夜光さんの小説は何冊も買っていましたが、文章がお上手だけれど再読したい本は無いなぁと言う印象でした。でもこれは違う。まず、天才と言える三味線 の才能を持つ主人公のタツオは、自分ではその才能に気づかず、ただ弾きたいように三味線を弾いていると言う設定が良い。努力することもいとわず、その努力がさらに三味線弾きとしてのタツオの才能を開花させます。

攻めの社長さんはスパダリですが、ムッツリ。1日だけ受けを自由に扱ったら諦めると言った後のすごいこと。普段年下の受けに対して敬語なだけにギャップが激しい。意外とガックリしたりなどの心情が読者に分かりやすく、潔癖過ぎて恋愛が長続きしない欠点があるのもいい感じ。対する受けは薄幸の天才三味線奏者。純で奥手なので、最後攻めへの自分の気持ちに気がついてくれてホッとした。

欲のない天才三味線奏者に惚れ込んでしまったスポンサーの、片思い＜三味線と恋愛＞が実るお話しでした。主に三味線なので、ラブ度が足りない気がする・・・。