レビュー一覧

自分が良いことをしているという自己満足だけを押し付けている、悪い意味での介護現場のリアルを描いた作品。死にたいという人を無理やり活かし続けるのは果たしてよいことなのか、そこに答えは無いのだろうけれど、せめて葛藤してほしい。施設の利用者一人ひとりに寄り添う努力が（マンガらしくご都合主義で）描かれているがそれ以前に言葉遣いがおかしい。タメ口で「ちゃん」付けなど良識を持った大人同士の会話ではありえないのに相手がボケ老人ならば当たり前に罷り通ってしまうことに疑問を感じないのだろうか。また、主人公は平気で時間外労働をしているけれど現実の介護の現場は慢性人手不足であり精神をすりへらす重労働だ。分かっていてもできない、無視するしかない、その葛藤の中で皆戦っているというのに、このマンガに出てくる施設はよほど人手が豊富なのだろうか。

　その内容に、リアル成分はかなり少なめ。きれいごとだけの優しい世界。介護のきれいな部分だけをうまく切り取ったパッチワーク。作者は果たしてちゃんと取材したのか？　本物の介護の現場には、もっともっと過酷で救いようのない現実が渦巻いていますよ。認知症による、もの盗られ妄想、深夜の絶叫・徘徊、幻覚・妄想、暴力、人格崩壊……。ご家族の介護疲れによる殺人や心中が絶えないのはそのためです。『障害者はみんな天使』という思想に似た、『認知症のお年寄りはみんな天使』というような偏見を感じました。これは、やむにやまれずお年寄りを施設に入れることになった、ご家族への偏見を助長する内容ともとれるな、と個人的にですが感じました。しかし、軽く読めるエンターティメントとしてならいいんじゃないでしょうか。でも皆さん、どうかこのマンガの内容が、『介護現場のリアル』のすべてだと思わないでください。

現実はもっと過酷で、この作品は確かに理想像にすぎないのかもしれませんが、それでもやはり読んで涙がこぼれました。

現実はもっと陰惨かもしれませんが、実録とは違ってあくまで漫画なので、じんわり読めたし、読後も悪くないのでよかったです。自分も三年ほどですが、介護経験があり、後悔ややり切れなさに今も辛くなることがあるし、当時は当時で心も体も疲弊してました。当時を振り返りながらいろんなことを考えながら読みながらも、あまりリアルだと読むのがしんどいので、このくらいほのぼのだと気楽に読めますね。すべてが漫画のようにうまくいかないのはわかってますが、漫画だけでも優しい介護の話があってよかったです

綺麗事じゃなく、悲惨な現状がキチンと描かれているし、施設の介護職員のガンバリもステキ。いろんな意味で希望が持てるいい作品だと思った。

介護にかかわることがあったので購入。色々なひとに見てほしい

現実はもっと厳しいし、こんな理解ある理事長なんていないんじゃとも思いましたが、知るきっかけとしては読みやすいと思いました。

現実はこんなに甘くはないでしょうが　あまり生々しいと読んでいて滅入ってしまうので・・・・お年寄りもみんなそれぞれ個性があって　これはこれで面白くていいと思います。

ぼろ泣きしました。感動というよりも、自分も昔介護士として働いてた経験もあるので、その時に感じてた理想がここに詰まっているけど、現実はもっと厳しい。国家試験をとって介護士になっても、給料が安すぎる。人が足りない。患者は待ってくれない。患者の家族からは文句を言われる。なのに自分たちは手出しも見舞いにも来ない。本当に矛盾していた場所でした。

他の方が仰っているように、きれいごとだけの世界。理想はそうなんだろうけど、ただの偽善。介護士さん達の本当の苦労をわかっていない。昔、入所中の祖父を週に1回しか訪問することが出来なかったが、そんな短い時間でも介護士さん達の苦労している姿を見て本当に申し訳なく思った。安い金額で年寄りの世話をさせているのだから。老人を虐待する介護士を、私達が責めることができるのだろうかとニュースが流れるたびに思う。これが介護の世界だと思わないで欲しい。