レビュー一覧

恋愛とホラーを兼ねた少女漫画作品。最近の漫画作品の中には後味が悪いものもありますが、この作品は異形の血を受け継ぐ少女が主人公でありながらも救いがあります。

次々と事件が起こり、「この先どうなるのだろう」というドキドキで一気に読ませる。また、木や岩などを描写する画力の緻密さにも感服。ただ、設定の深刻さに比べて結末が甘すぎるような気がする。これでいいの？と思ってしまった。

当初、読み切りとして発表されたという第１話の部分は、恋愛よりもホラー色が濃い目で、ヒロイン・水蛭子もやや子供っぽい印象ですが、第２話以降は一気にお姉さんっぽくなります。水蛭子を女として愛してしまいたい衝動と、一族当主としての立場の間で苦悩する禍津の姿に、どこか、『ガラスの仮面』のマヤと真澄を彷彿とさせるような切なさを感じました。

登場人物もなんか陰気で、話も怖いというより暗い感じの、お話しでした。

絵が古臭い。ストーリーも今一つ、恐怖感が無い。