レビュー一覧

マンガを先に読んだのですが、原作の方が深くで面白かったです。大富豪なのに、家族とは言えない家で育ち、結婚生活や家族に夢を持てないヒーローと、美貌の従兄弟に劣等感を抱きつつも自らの道を見つけようとひたむきなヒロイン。人間の軽薄さを見過ぎていたヒーローだからこそ、ヒロインのあたたかさや愛情深さに惹かれたのかもしれません。が、ヒーローはオレ様っぷりを変える気もなく、自分の行動を言い訳する気もサラサラなし。ヒロインに厳しいダメ出しをされて、男としては最低ランクの評価をされて初めて危機感を感じるという鈍感さ。最後はヒロインが半ばお母さんなのでは？と思ってしまうほど魂の部分でヒロインを求めているヒーローの気持ちが随所に感じられました。ヒロインの深い愛情と叱咤激励で成長するヒーロー。エンディングもうちょっとほしかったなぁ。

『非情な恋人』シリーズ２作目です。この作品のヒーローが（本人にはそのつもりは無くても）前作の「熱砂の花嫁」のヒーロー＆ヒロインの別れに関与していた為、あまり良いイメージが無かったのですが、この作品を読んで、この繊細なヒーローが好きになりました。自分の思い通りにならないヒロインを手に入れる（？）為に、マスコミを使ったりするのだけれど、ヒロインに対して嘘を付きません。これはヒロインも同じです。さらに、お互いが（相手は）自分に対して嘘は付かないと理解しているのがいいです。芯が強くて、優しいヒロインにベタぼれなヒーローが(ヒロインを）、自分の思い通りにしようとして、結局ヒロインの言うとおりにしているところが、かわいいです。

好きなリン・グレアム作品の中でもとても好きな作品です。ヒロインがめそめそもいじけもしないでしっかりと生きていく姿が好きです。何度も読み返している作品です。

ギリシアヒーローと大学教員のヒロイン。知的なヒロインに好感がもてたのは最初だけ。洗練された上品なものが好きなヒーローにド派手な演出の結婚式を挙げさせ、自分は高価なドレスを特注して馬車に乗るとか悪趣味なことをするにいたり、ヒロインがばかすぎて知性のかけらも見えなくなりました。ヒーローはスタッグパーティがいつばれるかどきどきしているなど可愛げがあって良かった。

ギリシャの傲慢ヒーローに負けていない、知的で愛情深いヒロインが魅力的でした。この作品は2人の話合い？言い合い？もハッキリ伝えるのでストレス少なく、勢いでどんどん読めました。

　一番好きなところはヒロインがヒーローに負けずはっきりものを言うところです。ヒーローの親友も学生時代からヒロインだけとはよく話していた、というぐらい。そうするとヒーローの他の彼女たちはどんだけアホなのだろうと読んでいて？になりました。いくらなんでもそんなバカな女性とばかりヒーロー付き合っていたのか、など細部からもいろいろ楽しみました。HQでは破綻のギリシャとテロの中東にヒーローが多いのも注目点。今作もギリシャの富豪。何故だろう、と思いつつHQから欧米の価値観を垣間見てる感じです。

結婚前の最後のスタッグパーティーが、ヒロインにバレないかヒヤヒヤし、いつ話そうか悩んでいるヒーローの姿が、いたずらがバレないか、いつ謝ろうかと悩む男の子みたいで笑ってしまった。理知的で、しかも温かい思いやりの心を持ったヒロインは、今まで読んだHQのヒロインの中では一番好きです。ヒーローの傲慢な言動にもすぐ立ち直って、しっかりと問題を把握して意見を述べる態度は好印象でした。