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武田信玄の生涯を描いた本作は、さいとう･たかを先生の画力で内容に重厚感があります。武田信玄の人心掌握と人間学の深さ。その内面史を読むと多感で悩める人物像が見えてきます。苛烈な戦いや領国経営の中で、たえず苦しみ、行き詰まり、苦悩して、そのたびに一つ一つ進歩していく姿に武田信玄の見事な人間統率の原理が浮かび上がってきます。｢人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり｣の名言は現代に生きる私たちにも通じるものがあります。