レビュー一覧

一番好きな作家さんであり、一番好きなコミックです。一応コメディーなんですけど、ホロっと泣かされます。ちょっとしたモノローグも漏らさずお読み下さい。「チョコレート・キス」もめちゃ良かったけど、こちらは大人テイストです。もう何回読み返したことか！

攻めの勇気は年下で体もでかいワンコですが、芸術家らしく繊細でマメ。受けの昇は、繊細で優しげな外見に似合わずドライで現実的だし、部屋が汚い。まずギャップでやられるよね。このシリーズの２人大好きすぎる。もはや感情移入しすぎて、昇が出展予定の大皿を割ってしまったときは本気で胃が痛くなった。この作家さんの特徴として、説得力が半端ないんですよ。私は依田沙江美さんは天才だと思ってます。この作品はその最たるものかなと。主人公２人のキャラも歴史も魅力的だし、背景も全て素晴らしい。大事な作品です。

とっても中身が濃くて面白かった。よく小説なんかでは「行間を読む」などと言われますが、このコミックは絵と絵の合間の「心情を読み取る」ことを楽しめる様な作品だと思います。借りてよかった！

依田さん好きですが、このシリーズが、依田さんの作品の中で一番好きかもしれません。攻めも受けもどちらとも男っぽく、どちらとも素敵です。お互いすごく愛し合っていて、でも全体に流れる静かな、切ない空気感。なんともいえません。さすが依田先生です。10代の方向けというより、大人向けかも。アラフォーにはど真ん中でした。ＢＬ漫画にちゃんとストーリーを求める方にお薦めです。

もしかしたらBL好きになった最初の作品かもしれません。それまでは、特別な恋愛という感じでしか捉えていなかった男同士の恋愛漫画でしたが、この作品を読んで初めて、同性同士であっても普通にお互いそれぞれの生活があり、それぞれの世界があり、そういう”自分”を持った大人同士が、惹かれつつ、我慢したり、許したりしながら、ふたりの生活を日々重ねて行く。そして、お互いの存在が無くてはならないものだと嫌というほど知りつつも、心が揺れたりもする。普通なんだなぁ、なにも特別な関係性じゃないんだと思ったお話でした。世間としてはそれこそ特別な恋愛関係の二人にはなってしまうし、本人たちも世間の目もあるので、世の男女の恋人同士と同じにはできないのですが、想い合う気持ちや日々の生活はどこも違わないからこそリアリティがあって紆余曲折あるふたりの物語に引き込まれます。とても大好きな作品です。

なんか心がほっとする数少ないBLの１つなのではないでしょうか。この人の書くのっていいなあと思いました。

大人の恋の物語りです。そんなに好きなら浮気しなきゃいいのに…と思うのですが、ある意味それも魅力の１つなのか…。子供がそのまま大人になった様なふわふわしている部分と、アーティストとしてのストイックな部分が、絶妙なバランスで同居している画家の勇気と、クールで繊細に見えるけれど、がさつだったり、興味のある事には子供の様に目を輝かせる編集者の昇。勇気の浮気で別れ、再会して2度目の恋に落ちた２人だけれど、勇気は相変わらずで…。大人になった分だけ譲れないものや大切なものが増えて…素直になれないけれど離れられない。昔の様な２人だけ!!のベッタリな関係ではなく、付かず離れずな距離を保ちながらの２人の日常と、繰り広げられる痴話ケンカ…。只、淡々と日常を追っているかの様なゆっくりとした間が小気味いいテンポの中に、何の違和感もなく感じられる作品です。

この作者様、絵がすごいうまいという訳でもなく、主人公がとびきりのイケメンという訳でもなく、キラキラしたドラマがあるわけでもなく…それでもこの作品にひどく惹かれずにはいられません。とにかくストーリーがピカイチ。大人の男性二人が、それぞれの仕事に専念し結果を出していきながら、プライベートである二人の関係も大事にしていく…大人BLの最高峰じゃないでしょうか。私は２巻の結婚式の話が大好きです。浮気したりなんやかんやしても、攻めは受けのことを愛していたんだな…と胸が苦しくなりながら読みました。二人の続編ないのかな…もっとたくさんの作品を読み続けたいです。

すごい良かったー。感動。こんな関係に憧れます。何度も読み返しそうです。他の作品も読んでみます。

おまけの５。以前はあまり気に入らず、長いこと寝かせてました。しかも当時は☆５の評価しかなかったのでレビューも気が引けて。でもあらためて読んだら良かったです。このシリーズの魅力はストーリーより何より土谷の存在自体。仕事もでき、色気もありながら子供のようでもあり、感情の起伏があまり表に出ないながら、内には静かに燃えている。これが各エピソードによく表現されていると思います。この作者さんの中では一番好きかもしれません。