レビュー一覧

発売当時から持っています。この著書の作品の中でも非常に人気が高い作品です。最近の作家さんとの大きな違いはまず描きこまれたシーンです。人物以外が大変よく描いてあり、世界観をよりリアルに伝えてくれます。よりマニアックになりがちなSFを少女マンガとしてしっかり読ませてくれる作家さんのひとりで、とにかくこの作品は、わりとありがちなキャラ設定ながら、読後の満足感の非常に高いストーリーになっています。

あぁ、懐かしいなぁ。20年も前の作品なのか…。少女漫画を超えた名作。これをどうして映画化しないかね、と思うよ、ハリウッド(笑)。私が監督なら、これを映画化したいなぁ。私は髭のネイト少尉が好きでした…。アンドロイドとの切ない恋愛も…。私の中で、不朽の名作。小麦畑を渡る風の音が、今でも聞こえるよう。昔、樹先生にファンレターをだしたら、直筆のイラストのついたお返事をくださったんですよ。お忙しいだろうに、なんて律儀な先生かと思いました（涙）。

少女マンガとは思えない骨太なストーリー展開がとても面白い作品です。当時の少女マンガがよく掲載したと感心しました。この作家さんは「花咲ける青少年」「八雲立つ」あたりが有名ですが、個人的には「ＯＺ」が一番面白いと思います。ずいぶん昔の作品なので絵は古臭さがありますし、ストーリーの最初はとっつきにくいかもしれませんが、読んで後悔はしないと思います。他の方も書かれていますが、本当にラストシーンは心にじんと沁みるものがあります。

これは文句無しの名作だと思います。とにかく主人公が魅力的で格好良い。ラストシーンがとても美しいので、是非最後まで読んで頂きたいです。

懐かしい！！昔連載リアルタイムで読んでました(笑)破壊された世界の中で金の麦畑の描写がとても象徴的で感動的でした。そして若き日には、またネイトと２４のカップルに、そして１９の最後に、号泣しました(笑)そして１９の進化？変化とラストへの道すじに衝撃を受けたことをいまでも克明に覚えています。ファンタジーには設定だけでなくキャラクターのリアルな肉付けが大事ですが、この作家さんはそれがうまい。アンドロイドである１９の不安定さとムトーやフィリシアのたくましいまでの人間としてのしたたかさなどが本当の生きたキャラクターとして迫ってきてファンタジーということを忘れそうになります。樹作品には容姿などに恵まれているのに実は愛に飢えているキャラと、悩みながらもしたたかなキャラが必ず出てきてその対比で余計お互いの個性がが生きている感じがします。愛すべき明るい主人公に感じる屈折した嫉妬、愛情、妬み、さまざまな感情がせめぎ合ってそれがリアルを作る。ヒトなら誰しも感じる人への劣等感。でも人生でよっぽど馬鹿でない限りきっと誰もが一度は感じる感情はとてもリアルでありながらファンタジーな非現実的なストリーに絡まって架空な話に感情移入してしまう・・・。それこそが樹作品の醍醐味であり、何年たっても読み返したくなる理由かもしれません。

発売当初から持っていました！懐かしいー！オズの魔法使いに出てくるドロシー、賢さがほしいかかし、心がほしいきこり、勇気がほしいライオンを登場人物に当てはめて読んでいくと…泣けます。樹なつみさんは、人の心理描写を描くのが本当に上手です。当時中学生だった私は「憐憫の情」という言葉をこの作品で学びました。個人的にはネイトと24トェンティフォーが好きでした。切なすぎるけど。

内容紹介では近未来SFアドベンチャーって書かれていますが、その言葉からイメージするものとこの話はたぶん違う。テーマは愛。まあ近未来SFにしとかないと戦闘用の美形アンドロイド出せないからね。主役はサンプルにも出てくるフィリシア少女とムトー軍曹なんですが、作者が力入れてるのはどう見てもこの美形アンドロイド。普段は素直でいい子です。てか健気です。このアンドロイドの悲しくも美しい愛に泣きました。絵は２０年程前の作品なんで古臭いですが、下手ではないので見てたらたぶんなれますよ。

引っ越しで本を手放してしまい、さらに完全版を読んで無かったので購入しました。ムトー達の若き日の話も読めて良かった。久しぶりに読み返しましたが、分かっていても、ネイトと24の最期が切なすぎる。19の「嬉しい」と、涙を流すところとその最後の行動が、とても胸に来ます。そしてやっぱりラストシーンで感動。現在、この話では近未来だった2020年です。もう何十年も前の話なのに全然色褪せない内容です。今読んでも登場人物のそれぞれの気持ちが胸に迫ってきます。2020年の現在、コロナウイルスの脅威に日常はさらされ、世界は別の意味で大変です。

日本人にしか描けない、マンガ文化最高！と叫びたくなる作品です。樹さんの漫画はメッセージ力も強く、読みおわった後は充実感で脱力してしまいました。か、な、り、面白いです。

文句なしの名作ですよね。この作者さんの次点は個人的に獣王星です。