レビュー一覧

これは面白かった。どっぷりとヤクザな世界のお話で、ヤクザものってソコソコの画力とバイオレンス感を出せる表現力とかが必須で、正直この方の絵柄ではむいてないんじゃないかと思ってました。画力ではなく、絵のタッチという意味で。読み始めもやっぱり、極道っぽくないよなぁと感じたのですが・・・いつの間にやらそんな事は全く気にならなくなってて、気がつけばそんな考えがあったことすら忘れるほど話に引き込まれました。良作でよく書く感想なんですが、ほんと映画のよう。セリフやシーンの一つ一つにセンスを感じるし、受は童顔ながらも女っぽさは微塵もなく、好みとしては完璧に近いです。ただラスト近くの最大のヤマ場的シーンが（読み手の想像力を煽る手法なんでしょうが）賛否両論ありそうですね。私はラストも含め非常に満足でした。是非皆さんにも読んで頂きたい一冊です。

大好きな作家さんです。でも、これはひ　ど　い！！話に矛盾や無理はあっても多少なら気にならずにいられますが、これはないです。ネタバレになりますが、まずは襲撃された時。死んだはずの大切な若頭と裏切り者がいたとしたら、襲撃者がどちらを狙うかは一目瞭然ですよね。でも何故か狙われたのは若頭で、そして何故かそうなるのが分かっていたかのように若頭を庇う原田（あれは状況的に普通なら庇う、ではなく「巻き添え」にしたといいます）。あと記憶が戻り、原田を許すのは情が芽生えてまあアリとしても、河口組長を放っておくってのはないんじゃないんですか？（原田が嫉妬して裏切ってしまうくらい柳瀬組長に懐いてたくせに）親殺しの汚名を着せられたまま、殺されたタラコ組長が途中から不憫で仕方がなかったです。部下からは裏切られ、しかも跡目を継がせるつもりだったほど目を掛けていた部下はその裏切り者に最後は高級ボートをおねだりしています。☆１なんて評価は始めてですが、どこかいい話風に描かれているあたりが絶対にないわーと思ったのでつけさせてもらいました。

おお・・・これは！一粒で二度オイシイってやつですね！主人公は生き埋めにされていたところをヤクザに助けられますが、記憶喪失のためバックグラウンドは謎のまま物語は進んでいきます。やがて明らかになる真実。最後まで読んで楽しんだ後、背景が明らかになった状態でもう一度最初から読むと、攻ヤクザの心情に思いを馳せながら読むことができ、これまた一度目とは違った楽しみ方ができて非常に面白いです！オススメです！

うーん、作者買いですが、今回はなんだかもの足りない！！ストーリーはいい感じだけどちょっとさっぱり感が否めない。もう今までのは☆５つ４つ！！って感じでしたが、もうちょっとエロときゅんきゅんがあったらよかったです。

受けの外見から、初めはヤクザと学生ものかと思ったので、年齢がかなりいってる事にビックリでした。敬語、守銭奴な攻、でも受にたけは優しいです。よくあるイライラするような甘さではなくて、不器用ながらも尽くしたいって感じです。まあ、優しさの裏には色々あるのだけど・・・・監禁ではないけれど受が外出できない状況で攻はやりたい放題★また、そんな状況でも卑屈にならない男前な受。ストーリーの最後の方は少し詰め込み感があったものの続編が読みたくなる！そんな作品でした。

待ってました！！大好きな作者さんで作者買いです。私もこの作者さんの絵的にヤクザものは以外で、設定だけになっていないか心配でしたが全くいらん心配でした！前半はヤクザ感もストーリーも？な感じでしたが、後半に一気に来ます。そして初めて読んだ時より2回目3回目と読めば読むほど面白くなる。この作者さんの作品に共通する特徴だと思います。しかし今回に限れば、読めば読むほど収束の仕方に疑問を持ってしまうのも事実。ここからネタバレです！！そもそも原田が自分の組を売った理由はなんだったのか？金のためだけに、あんなに想っている田中を危険にさらすとは思えない。田中を手に入れるためとも思えない。田中を守るために最初から協力せざるを得ない状況だった様にも描かれていない。そして事実を知っても何も行動を起こさない田中。納得できないまま終わってしまった感があるので少し残念でした。しかしそこまで細かなツジツマを求めたらキリがないかなとも思ったり。残念だったのはそこだけで、ストーリーの展開や山中ヒコの世界観は相変わらず素晴らしかったので私は☆4つで。他の作品もガンガン入荷して欲しいです！！よろしくお願いします！！

任侠モノですが、ちょっと今までに無いタイプです…信頼と裏切り…何が嘘でどこまでが本当なのか？唯一、金しか興味を持てなかった男が本気で助けたかったモノは何だったのか？現在と過去を遡りながら二人の男の運命は？裏切りの中の真実を最後に受け止めようとする主人公に泣けました…

良かったけどー、すごく。掘り出す前から覚悟は出来てたと思う、原田は。だけど田中は記憶を失っていて…そして束の間の夢のような時間が始まる、原田にとっての。しかし夢はいつかは醒める……終盤はドキドキしちゃった。だって、田中の選択によってラストが全然違ってくるからね。私は、これは雰囲気のあるとても良い作品だと思いますよ。

作者買いです。悪くはないのですが…主役の二人の気持ちにイマイチぐっときたりきゅんとしたり惹きつけられるものがなく、どうも今一歩ストーリーに入り込めませんでした。記憶喪失ネタということで謎解き風味も加わるのですが、その謎解き展開もイマイチすっきりせず。一番共感できたのが三下くんと手下くんの脇キャラ二人でした。個人的にヤクザものがあまり好きではなく作品世界に説得力を感じられなかったからかも知れませんし、山中ヒコさんの作品ということで期待しすぎたのかも知れませんが、私にはあまり合いませんでした。

山中ヒコワールド万歳！始まりから重くて息苦しくて、切なくて、だんだん風呂敷が広がって行く段階では、どうにもバッドエンドしか予想出来なかったんですが、ヤクザの筋道を通す以上の、予想を越える収束の仕方に、何とも言えないため息を覚えました！人間が大きい~~~。「バジリスクの道」を読んだ時にも凄いな~と驚嘆しましたが、予想の遥か上を行かれる方だと思います。